2013 Fiscal Year Research-status Report
超高感度QCMの実現に関する研究~周波数オフセット位相同期型QCMの開発~
Project/Area Number |
25820175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今池 健 日本大学, 理工学部, 助教 (10548093)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | QCM |
Research Abstract |
数ナノグラム以下の付着物質の質量を検出できるQCM(水晶振動子微量秤)の測定時間短縮と測定精度を向上するための新たな測定システムとして提案した位相同期型QCMについて以下の研究をおこなった. 位相同期型QCMは1枚の水晶板上に複数組の水晶振動子を用意するため,相互の機械振動が結合することにより性能の劣化がおこる.これを軽減する手法として振動子同士の間に振動の伝搬を防ぐ突起や溝を付加した振動子形状について有限要素法による解析をおこなった結果,5dB程度アイソレーション特性を向上した.また,同一周波数で振動している場合が最もアイソレーションが低下するため,振動子の共振周波数をあらかじめオフセットし,位相同期回路側で周波数を逓倍・分周する方式を提案した. 使用するバラクタダイオードの容量可変感度によって検出感度の向上が可能なことを実証した.位相同期型QCMは複数の振動子の特性がほぼ同一であるという仮定をしているが,どの程度特性が一致するかは明確ではないため,共振周波数の温度特性について実測し,周波数変動を振動子単体と比較して半減させた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周波数オフセット水晶振動子を作製し,シミュレーション結果と比較する予定であったが,加工により振動特性の劣化が生じたため満足な性能の振動子を作製できていない.ウェットエッチング後に十分な研磨をおこなう方法,エッチャント液の最適化,あるいはFIB加工による方法で改善できると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
周波数オフセット水晶振動子を作製し,シミュレーション結果と比較する予定であったが,加工により振動特性の劣化が生じたため満足な性能の振動子を作製できていない.水晶振動子表面の十分な研磨やエッチャント液の最適化,あるいはFIB加工による方法等を検討し,より高性能な振動子の作製を行う. 水晶振動子の表面状態によっては,損失が通常の水晶振動子よりも大きくなることが分かっており,クロック源用の水晶発振器よりも大きな負性抵抗回路を用意しなければならないことから,Fr発振回路型式を用いることで高周波数体で従来一般的に用いられてきたコルピッツ発振回路よりも容易に発振させることが可能になる.QCMセンサ用水晶発振回路の最適な設計と,位相同期回路の帰還回路設計の最適化を行う. 発振周波数の高周波化により検出感度の向上が可能となるが,その上限は100MHzに満たないとの見方も有ることから,高検出感度に適した周波数帯を実験的に明らかにする必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
位相同期型QCM振動子の作製において,一度に最大で9枚の水晶振動子を作成可能とするマスクを開発したことにより,電極となる金蒸着時の材料の使用量が大幅に減り,振動子1枚あたりの作製コストを削減したため. 水晶振動子作製のコストは大幅に改善されたが,所望の性能を満たす振動子の歩留まりに関しては未だ解決されておらず,特に高性能な振動子を得るために作製回数を増やす必要があるため,蒸着材料費用として使用する.
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Research Products
(5 results)