2013 Fiscal Year Research-status Report
光周波数多重化とFBGを用いた多点同時振動センサの研究
Project/Area Number |
25820176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
和田 篤 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (40434021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光ファイバセンサ / 光ファイバブラッググレーティング / 半導体レーザ / 振動計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は半導体レーザの注入電流変調による狭帯域波長掃引を光周波数多重化方式に基づくセンシング手法に利用し、光ファイバブラッググレーティング多点センシングの計測時間を大幅に短縮する事である。本年度に行なった研究は以下の通りである。 分布帰還型半導体レーザの電流変調特性を実測した。分布帰還型半導体レーザは電流を注入する事でレーザ光を発振させるが、この注入電流を増減させると、レーザ光の出力強度だけでなく、発振波長も僅かに変化する。この波長変化は静的に電流を変化させた場合は、増減させた電流の変化量にほぼ比例する。一方、正弦波信号や鋸歯状波信号を用いて電流を変調した場合においては、波長変化量と電流変化量は線形に対応しなくなる。本研究では所与の電流変調信号に対して得られる波長変化信号を把握する事は必須であり、本年度はこれを達成した。 電流変調下における分布帰還型半導体レーザの瞬時波長の推定は以下のようにして達成した。まず、ファイバ型ファブリ・ペロー干渉計(FFPI)を用いて離散的に瞬時波長を測定した。また、この手法を用いて測定した瞬時波長を用いて掃引波長の非線形性補正を行なった。次に、偏波保持ファイバを用いた不等光路長マッハ・ツェンダ干渉計を用いて更に高分解能な瞬時波長の測定を行なった。 波長掃引に用いる変調信号について、鋸歯状波、三角波、正弦波の3種類の波形を比較・検討した。その結果、正弦波を用いた電流変調によって得られる波長変化の波形が最も歪みが少なく、かつ変調の深さも最大になる事が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電流変調下における半導体レーザの瞬時波長変化を高精度に推定する手法を確立した。また、安定した波長掃引を行なう上で、電流変調波形に正弦波を採用する事が有効である事がわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、光周波数多重化方式型のセンシングシステムを試作し、実際に干渉信号を取得する。そして、正弦波で波長が変化している事を踏まえた干渉信号の解析手法を確立する。次に、多点センシングの試行を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、ファイバ型ファブリ・ペロー干渉計(FFPI)を本研究用に特殊な仕様を指定した上で購入し、半導体レーザの瞬時波長測定の高分解能化を図る予定であったが、現有のFFPIで予備実験を試行した結果、FFPIが有する僅かな偏波依存性が高分解能化の阻害要因になる事が分かった。この為、別の方法で瞬時波長を測定する方法を模索し、偏波保持ファイバで構成した不等光路長マッハツェンダー干渉計を用いた測定法を試みた所、充分な精度で瞬時波長が計測できる事が分かったため、FFPI及びそれを用いた瞬時波長測定光学系一式の購入を取り止め、マッハツェンダー干渉計による波長測定光学系を採用する事にした。 波長測定用の干渉計の信号とセンシング用の干渉光学系から得られる信号を統合的に解析する為に必要となる機材(光電気変換器、光変調器、アナログデジタルコンバータ、デジタルアナログコンバータ等)の購入に充てる予定である。
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