2013 Fiscal Year Research-status Report
サイバーフィジカルシステム論的アプローチによる高信頼な自律分散協調制御
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25820180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 直樹 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80637752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 協調制御 / 自律分散制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、システム制御理論と情報通信理論の分野横断型アプローチにより、物理制約と情報通信制約を考慮した高信頼な自律分散協調制御法を確立することである。平成25年度は、ロボットの物理制約とIEEE 802.15.4 ネットワークによる通信制約を考慮した協調制御に関する研究を行った。まず、全てのロボットを同じ地点に集合させる合意形成問題を考え、コンセンサスダイナミクスとリアプノフの安定性理論を用いて各ロボットの目標軌道を与えるタスクと目標軌道に追従するようにモータを制御するタスクを導出した。また、ロボット間の通信体系としてIEEE 802.15.4 ネットワークを考え,協調制御を実現するネットワーク帯域割り当てアルゴリズムについて考察した。GTS (Guaranteed Time Slot) を用いた時分割方式により PAN コーディネータが無線ネットワーク帯域を割り当て、合意形成が実現できるようにエージェント間の情報伝達を完了する無線通信アルゴリズムを導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はおおむね順調に研究を進めることができた。当初の研究計画の通り、物理制約を考慮した対向二輪型移動ロボットモデルの導出とIEEE 802.15.4 無線ネットワークの通信制約を考慮した協調制御法の導出を行うことができた。また、提案制御法の応用例として、当初計画に挙げた移動ロボットシステムだけでなく、センサネットワークを用いた分布推定やカメラネットワークを用いた協調追跡に関する研究も行うことができた。平成25年度はこれらの成果をもとに、学術論文誌1本、解説記事1本の投稿、ならびに招待講演1件、国際学会1件、国内会議3件の発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、平成25年度で得られた成果をもとに、ロボットの物理制約、IEEE 802.15.4 ネットワークによる通信制約、シングルプロセッサの情報制約を満たす協調制御法を開発する。タスクの処理をデジタルプロセッサで行うため、タスクモデルの微分方程式をサンプリングして離散化する。そして、グラフ理論やシステム安定性理論を用いてタスクの安定性を保障するサンプリング周期を求める。このようにして導出したサンプリング周期を用い、優先度付きタスクスケジューリングにより、シングルプロセッサのリソース制約の下で全てのタスクがデッドラインまでに処理を完了するスケジューリング則を求める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に国際学会で2件発表予定であったが、そのうちの1件について平成26年度の発表に予定を変更したため。なお、研究計画自体に変更は生じていない。 次年度使用額は、平成26年度7月に開催予定の国際学会での発表に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)