2014 Fiscal Year Research-status Report
高い高度分解能を持つロケットGPSトモグラフィ技術
Project/Area Number |
25820189
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
芦原 佑樹 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (50511557)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高層大気 / 電離層 / 電子密度 / GPS / TEC / トモグラフィ / 観測ロケット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高い分解能を持つ電離圏電子密度の空間分布観測手法を開発することを目的としている.この目的を達成するために,ロケットGPS(Global Positioning System)トモグラフィ法を提案し,シミュレーションと受信システム開発を2本柱として技術検証を進めている. 本年度は,ロケットGPSトモグラフィ法に必須となるGPS-TEC(Total Electron Content)受信機について評価を行った.観測ロケットに搭載されるGPS-TEC受信機には,(1)高加速度・高速移動に対する追従性能,(2)ロケットスピンによる信号強度・位相変化への耐性 が求められる.GPS受信機システムは,ロケットスピンの影響を低減させるため,ロケット側面に2つの受信アンテナを設置する.2つの受信アンテナから出力されるGPS信号は,混合器で合成してからGPS受信機に入力する2波混合方式とした.2波混合方式は,システムがシンプルで簡単な反面,2信号の干渉が生じてGPS受信信号が捕捉できないことが予想された.実際の観測ロケットに見立てた金属模型を製作し,この金属模型にGPS受信システムを搭載して実験装置を構築した.ロケットスピンに対する耐性について,ロケット回転開始および終了時にGPS信号捕捉ができなくなるものの,定常回転時は問題なく受信できることを確認した.また,GPS信号の位相については,L1波・L2波でそれぞれ回転の影響を受けるものの,両波の位相差情報は安定していることを確認した.GPS-TECでは,位相差情報のみを用いるため,構築した実証システムにおいてロケットGPSトモグラフィ観測が可能である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案するロケットGPSトモグラフィ法に必須となるGPS-TEC受信機について,観測ロケットという特殊環境を想定した試験を行った.ロケットスピンに対する耐性試験においても良好な結果が得られており,構築した実証システムでロケットGPS観測が可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,シミュレーションと受信システム開発を2本柱として進めている.本年度までの成果として,受信システム開発と評価を行い,ロケットGPS観測に使用できる性能を有することを確認した.もう一方の柱である電離圏シミュレーションを行い,またこれまでのと受信システム開発で得られた実験結果を合わせることで,高い分解能を持つ電離圏電子密度の空間分布観測ができることを検証する.
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Causes of Carryover |
申請時に計画していた電離圏シミュレーションを,最終年度に行うことし,数値計算ソフトウェアの購入を見送ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数値計算ソフトウェアと計算サーバの購入を計画している.
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Research Products
(1 results)