2013 Fiscal Year Research-status Report
電気抵抗モニタリングによる鉄筋コンクリート構造物の劣化進行評価手法の開発
Project/Area Number |
25820190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 孝弘 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10345358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 劣化進行 / ひび割れ発生 / 電気抵抗 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究では,劣化要因物質の浸透および腐食によるひび割れの発生といった一連の劣化進行を検知可能とする電気抵抗モニタリングシステムについて検討を行っている.特に,その中で本年度の検討では,ひび割れの発生を検知するための抵抗測定方法(直流・交流の種類,電圧・電流の大きさ,電極取付方法・取付位置,電極間隔等)に関して基礎的な検討を行った.電流の種類に関しては,安定した電流を長期的に印可可能な交流を選定した。電圧の大きさは1000mVとし,その際に得られる電流から電気抵抗を算出することとした。電極は直径2㎝の円形のものを選定し,導電性接着剤を介して直線状に張り付けることとした。電極の間隔は2㎝とした。以上の条件を用い,ひび割れの有無による電気抵抗の変化に基づいてひび割れの発生を検知する方法を現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では(1)劣化要因物質の浸透およびひび割れの発生を検知可能な電気抵抗の計測方法の確立,(2)コンクリートの乾燥状態や周辺温度が電気抵抗に及ぼす影響の把握と劣化進行の判定基準の作成を行い,最終的には(3)上記(1)~(2)を踏まえた課題抽出及び既存鉄筋コンクリート構造物の劣化進行検知のための電気抵抗モニタリングシステムを提案する. 今年度は主に目的(1)の検討を終え,(2)に関する検討を着手しており,概ね当初予定通り進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の検討では,目的(2)に関して,目的(1)で設定した通電方法に対して,塩化物イオンの浸透やひび割れの発生といった要因以外の環境作用(コンクリートの乾燥状態,周辺環境の温湿度)が測定値に及ぼす影響を把握し,劣化進行に対する判定基準を策定する.また,供試体における温度や水分状態を再現可能となるように数値解析手法を改良し,種々の条件におけるパラメトリックスタディーを実施する.さらに,目的(3)に関して,目的(1)~(2)の結果を踏まえ,課題の抽出およびその対策方法を検討し,長期の適用を視野に入れた電気抵抗モニタリングシステムの構築を行う.特にここでは,前年度での検討で得られた結果に基づき実環境に適用する際の課題の抽出を行い,これに対する解決方法を検討する.例えば,実際の港湾コンクリート構造物で想定される波浪や日射の影響を考慮した長期耐久性に富む電極の取付方法,配置方法,実際の計測におけるデータの確認方法を検討し,実際の施設での運用を試みる.これらの結果を踏まえ,電気抵抗モニタリングシステムの構築を行う.
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