2013 Fiscal Year Research-status Report
材料構成に基づくフライアッシュの強度発現性能評価手法の提案
Project/Area Number |
25820191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 由布子 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30624564)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フライアッシュ / セメント種類 / 置換率 / 圧縮強度 / セメント有効係数 / 細孔構造 |
Research Abstract |
良質なポゾランであり、かつ石炭火力発電の副産物であるフライアッシュは、温度や配合条件に反応が大きく影響を受けること、また化学成分が一定でないことから、コンクリート混和材料としての利用が滞っている。本研究では、配合条件および化学成分に基づいた材料構成に着目し、フライアッシュの強度発現性状の変化を配合選定段階で把握することを目的としている。 平成25年度は、モルタルを対象とし、フライアッシュの置換率およびセメントの種類を要因として、圧縮強度およびフライアッシュの結合材としての圧縮強度増進への貢献度を示すセメント有効係数(k値)について実験的に検討した。フライアッシュは、1種類、セメントは、研究用セメント、普通ポルトランドセメント、早強セメントの3種を用意した。養生条件は、20℃水中養生とした。この結果、材齢7日および28日強度においては、置換率が大きくなるにつれて、圧縮強度およびk値が小さくなり、これまでの知見と相違ないことを確認した。長期強度については平成26年4月以降に揃う予定であり、フライアッシュを懇話した場合に基準とする材齢91日強度の結果についても検討行い、これらを総合してフライアッシュの強度発現性能を統一的に評価する手法を提案する予定である。また、細孔径分布試験については、自身で測定する準備を整えた。細孔径分試験を実施し、強度発現と細孔構造の緻密化を関連づけた考察を行う予定である。なお、本検討においては水中養生を行いフライアッシュが強度発現性能を充分に発揮させる条件において検討しているが、実際の養生条件におけるフライアッシュの活用を検討するため、内部養生材によるフライアッシュコンクリートの性能向上についても検討した。また、実際の湿度条件における検討への展開を図るため、フライアッシュコンクリートの内部湿度変化について検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績に示したとおり、置換率、セメント種類を要因として、フライアッシュを混和したモルタルの圧縮強度発現に対するフライアッシュの貢献度についての検討を行い、これまでの知見と相違ないことを確認している。また、平成26年度のコンクリートを対象とした実験および検討を考慮し、先行してコンクリートの内部湿度の検討および内部養生材を用いたコンクリートにおける検討を行い、口頭発表を行った。しかし、当初の平成25年度計画である、材齢91日強度における検討および細孔径分布試験による細孔構造と関連づけた検討は、平成26年4月以降の実施となっているため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度研究成果に継続して、モルタルを対象とした材齢91日における強度試験および細孔径分布試験を実施し、平成25年度成果と総合して基礎的知見の取りまとめを行う。また、コンクリートを対象とした検討に進み、フライアッシュおよびセメントの材料特性と配合条件からフライアッシュの強度発現性能を予測する手法の確立を目指す。内部湿度の検討および内部養生材の活用により、養生の影響を検討し、フライアッシュの混和材としての利用拡大へ進展を図る。
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Research Products
(3 results)