2014 Fiscal Year Annual Research Report
非接触衝撃弾性波法によるコンクリート表層品質・内部欠陥の弾性波トモグラフィの開発
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25820194
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
内田 慎哉 立命館大学, 理工学部, 任期制講師 (70543461)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コンクリート / 非接触衝撃弾性波法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の成果を踏まえ,非接触衝撃弾性波により,アンカーボルト固着部の接着剤の充填状況(内部欠陥)を評価する手法の検討を行った。適用した手法としては,ボルト頭部に設置した励磁コイルにより動磁場を励起し,生じたボルトの挙動をボルト頭部に設置したレーザードップラー振動計(LDV計)で受信する形の非接触衝撃弾性波法である。その結果,LDV計によりアンカーボルト頭部で受信する方法では,片持ち梁の振動モードに類似した挙動に加えて,ボルト軸方向を伝搬する弾性波の挙動(縦波共振周波数)も同時に捉えていることが明らかとなった。この縦波共振周波数を評価指標とすることで,充填率が低い場合のみを検出できることがわかった。 続いて,上記の成果を踏まえて,非接触衝撃弾性波法によるPCグラウト充填評価への適用を試みた。まず,動磁場解析により,励磁コイルの導線巻付け位置,配置方法,コア寸法の違いがシースに作用する電磁力に与える影響について把握した。その結果,電磁力を大きくするには,銅線の巻き付け位置をコアの両端とした上で,励磁コイルをシース軸と直行させ,かつ,コア寸法を小さくすることが望ましいことがわかった。続いて,解析結果の妥当性を評価するための基礎実験も行い,解析結果と実験結果は概ね一致することがわかった。最後に,解析と実験の結果を踏まえて,PC桁を模擬した供試体を対象に実験を行った結果,コンクリート表面にセンサを設置する条件であれば,PCグラウト充填状況を適確に把握できることが明らかとなった。しかしながら,LDV計を利用して非接触で鋼製シースからの弾性波挙動を把握するためには,かぶりが小さい場合に限定される,あるいはコイルに与える電流をさらに大きくするなどの改善が必要であった。 なお,本研究では,上記検討と併行して,弾性波トモグラフィ用プログラムも試作し,適用可能性の検討も行っている。
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