2013 Fiscal Year Research-status Report
小型壁面検査ロボット群で構成されるトンネルなどの自動点検システムの開発
Project/Area Number |
25820198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
岩本 達也 有明工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20390528)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 維持管理 / 土木構造物 / 検査ロボット / 非破壊検査 |
Research Abstract |
ビルや橋梁およびトンネルなどのコンクリート構造物の供用年数が長くなり,コンクリート片落下が頻発するようになった.検査が急がれる問題個所は膨大で,効率的・経済的な検査方法の開発が急がれている. 本研究では,トンネルなどの構造物の自動診断を行う点検システムを開発することを目的とする.自動点検システムは,小型ロボット群およびカメラを用いた画像処理による位置測位システムにより構成され,無線操縦もしくは自動操縦により垂直面および天井面を走行し,壁面を鋼球などで打撃しながら問題個所を検出する.効率的で,しかも足場を必要としないため,コストダウンが実現できる.そこで、プロペラ推力を利用した壁面検査ロボットを開発する.ロボットは壁や天井に押し付けるための推力を発生させる推力部と,壁面を移動するための駆動部,マイコンや無線機器などの制御部,ロータリーソレノイドやマイクロフォンなどの計測部で構成されている. 平成25年度は,検査ロボットの開発および自動点検システムの設計を行った。開発した検査ロボットは,6個のプロペラによって上昇し,壁面に張り付き無線操縦により移動する.安定した飛行と機動性を確保するために,打撃装置の構成部品を樹脂で製作し,構成部品の軽量化を図った.自動点検システムは,小型検査ロボットと位置測位システムで構成されるが,平成25年度は,位置測位システムの設計と,カメラ等必要機材の選定と購入を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画は(1)無線操縦によるプロペラ推力を用いた検査ロボットの開発と(2)自動点検システムの設計である。 (1)について,市販されているマルチコプターキットに検査装置等を搭載して検査ロボットを開発した.当初は4個のプロペラを使用する予定であったが,計測装置およびバッテリー等を積載するために6個のプロペラを使用し,必要な積載可能な重量を確保した.動作の確認として,学内施設の天井を利用して,検査ロボットの移動性能および飛行性能の確認を行った. (2)について,位置測位システムはカメラでロボットに取り付けられているLEDを撮影し,画像処理プログラムを用いて現在位置を推定させる方法を検討し,必要な機材の選定および購入を行った. 以上の理由から研究目的に対して「おおむね順調にしている。」とした
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は(1)小型検査ロボット単体を用いた自動点検システムの開発,(2)小型検査ロボットの性能試験、(3)自動点検システムに適した小型検査ロボットの製作を行う. (1)では,カメラを用いて外部より現在位置を推定する測位システムの開発を行う.必要な機材は購入済みである .(2)では,平成25年度に開発した小型検査ロボットの性能を確認するために,学内施設の壁や天井を利用して,移動性能および検査装置の動作確認などを行い,改善点などを探る.(3)では,(1)および(2)の結果をもとに,自動点検システムに対応できるような仕様を検討し,検査ロボットの設計を変更する.検査ロボットは複数台製作する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は,ロボット制御用のマイクロコンピュータを選定する際に機器の納入が遅れたため,選定に時間がかかり,選定後に機器を納入することが年度内には難しかったためである.また,成果発表および調査のために予定していた旅費の支出(15万円)がなかったことも理由の一つである。 次年度使用額については,平成26年度以降に検査ロボットを複数台製作する計画なので,これの制作費に充てる。平成26年度の交付予定の助成額については,交付申請書の計画通りに遂行する.
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