2014 Fiscal Year Annual Research Report
橋脚と上部構造連成下での2方向加振時のゴム系支承の終局挙動解明と安全照査法の検討
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25820207
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
海老澤 健正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90332709)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 耐震構造 / 積層ゴム支承 / 破断試験 / 振動台実験 / 連続高架橋 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した2径間連続高架橋加振実験を踏まえ,実構造における積層ゴム支承の挙動を把握するとともに,積層ゴム支承単体の小型供試体の載荷試験を実施し負反力が破断特性に与える影響について検討を行った.
1. 2径間連続高架橋模型に組み込んだ積層ゴム支承の振動台加振実験に基づき,高架橋全体系での支承挙動について検討を行った.その結果,支承には相対水平変位だけではなく,従来無視されていた相対回転も生じており,加振実験を再現する詳細な高架橋全体系FE解析では,支承の回転剛性の影響があることが判明した. 2.上記の振動台加振実験では簡易化のため1支承線上で2支承モデルとするとともに通常と比べ積層ゴム支承に余裕を持った設計としたため特に回転剛性が高く評価されることから,一般の設計に基づく支承を再設計し,実構造に相当する1支承線上で7支承モデルに置き換えて解析を実施した.ここでは,実構造相当の支承の構成モデルは,超弾性ソリッド要素を用いた積層ゴム支承のFE解析から定めた.その結果,実構造相当の支承を用いた場合には,回転剛性の低下により高架橋全体系の挙動への影響は低下するが,相対回転の増加で曲げ引張り応力が増加するため局部引張り応力が大きく生じること,1支承線上の外縁部支承に負反力が生じることが確認された. 3. 加振実験およびその数値解析結果を踏まえ,独自開発した支承上下鋼板間の平行維持装置に要素試験用の小型積層ゴム支承供試体を取り付け,水平1方向繰り返し破断試験を実施した.その結果,一般的な載荷試験のように鉛直圧縮力(面圧6MPa)を与えた場合と比べて,鉛直引張力(面圧-2MPa)を与えた場合には破断時の平均せん断ひずみが約10%低下すること,また,破断時に瞬時に支承断面全体に破断が進行しエネルギが開放されるスナップバック挙動を示すため大きな衝撃が生じることが確認された.
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