2013 Fiscal Year Research-status Report
パッケージ型インフラ海外展開を視野に入れた軟弱地盤の長期沈下対策方針の提案
Project/Area Number |
25820214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田代 むつみ 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00422759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地盤の挙動 / 長期沈下 / 鉛直ドレーン / 真空圧密 |
Research Abstract |
ピートや粘土を含む軟弱地盤上に盛土を建設すると、滑り破壊や大きな沈下が発生し、周辺地盤に多大な影響を与えることがある。このため、盛り立て中の安定増加と建設後の残留沈下抑制のために、建設前に適切な対策を行うことが重要である。鉛直ドレーンによる地盤改良は、効果的な方法の1つであるが、表層にピートのような超軟弱な地盤が存在する場合、また工期の関係で早く盛土を盛る必要がある場合には、真空圧密が併用されることも多い。本研究では、実際に真空圧密工法が適用された現場を対象として、現在までに観測された地盤挙動を~土連成有限変形解析により再現し、将来予測を行った。また、当該現場で広域に観測された周辺沈下の原因を数値解析により考察すると共に、真空圧密・鉛直ドレーンによる地盤改良効果を検討した。解析では、鉛直ドレーンによる集水効果を、ドレーンの水圧を未知数にとる新しいマクロエレメント法で表現し、これを組み込んだ名地盤解析コードGEOASIA(名古屋大学地盤工学研究室が開発)を用いた。一連の解析の結果、以下の点を明らかにした。1)研究対象とした現場では、鉛直ドレーンと真空圧密により改良域では圧密がほぼ終了しており、将来的に改良域より深部で残留沈下が発生するものの、その量は非常に小さいことが予想された。2) ドレーン改良域に連続した中間砂層が存在する場合、地盤の安定増加に寄与するが、この層を通して改良域の外側にも負の水圧が伝播するため、周辺地盤を広域に亘り沈下させる可能性がある。3) ある程度密なピッチで鉛直ドレーンを打設すれば、ドレーン改良のみでも安定増加と残留沈下の低減の両方に効果を発揮する。周辺地盤の水平変位を抑制し、沈下をさらに早期収束させたい場合、表層が極端に軟弱な地盤で安定確保が必要な場合は、真空圧密の併用が効果的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい解析手法(ドレーンの水圧を未知数に解くマクロエレメント法)を導入したことにより、現場の観測結果をより精緻に再現することが可能となり、地盤の種類・状態に応じた改良効果についても検討を行うことができた。年度当初予定していた、海外の現場を対象とした情報収集や研究討議は、諸事情により本年度は実施することができなかったが、国内の現場技術者との成果報告・討議を通して、新たな課題の抽出を行うこともできた。よって、研究全体の進展状況としては、おおむね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた知見をさらに発展し、軟弱地盤の地盤改良における新しい設計指針の提案を試みる。研究成果は、海外への展開も視野に入れ、学術論文を中心に国内外へ公表を行う。
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Research Products
(11 results)