2013 Fiscal Year Research-status Report
新石垣空港開港に伴う環境変動と浅海域物質循環の解明
Project/Area Number |
25820229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
寺田 一美 東海大学, 工学部, 講師 (30547998)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 沿岸生態系 / 水質 / 栄養塩 / 流動 / マングローブ / 海草藻場 |
Research Abstract |
国内有数の観光地である沖縄県では、近年大型リゾートの再開発や外資系ホテルチェーンの参画が相次ぎ、自然生態系をいかに維持しつつ活用するかは、地元の生計維持、生物多様性保全の両点から重要な課題となっている。本研究の目的は平成25年3月に新大型空港が開港した沖縄県石垣島にて、開港後の観光・定住人口増加に伴い予想される土地利用変化と、サンゴ礁、海草藻場、マングローブの生息分布調査、ならびにマングローブ河川から沿岸部への物質輸送量を4年間継続して計測することで、環境変化を把握することである。 本研究の調査項目は、1.GIS解析による土地利用状況の把握、2.超音波ドップラー流向流速計(ADP)を用いた河川流拡散状況把握、3.GPS防水カメラ・コドラードを用いた海草分布状況把握、4.複合生態系間の物質循環定量化、の4点であり、これらを新石垣空港開港前後に行うことで環境変動を検証する。 初年度である平成25年度は、新石垣空港開港前の島内の土地利用状況整理(1)、吹通川河口域の流動データ解析(2)ならびに海草生息マップの作成(3)、懸濁態物質の輸送メカニズムを検証し(2、4)、新空港開港前の状況整理を行った。加えて、自記式濁度計などの、現地調査に向けた機器整備を行った。 新空港開港後、観光客数は増加し、平成25年の1年間で計94万人が訪れた。これは前年比1.3倍であり、石垣島定住人口(約4.9万人)の19倍に匹敵する。新空港建設時には野生生物保護や、建設廃土・赤土の流出解析等が行われたが、開港後の環境影響把握はまさにこれから必要とされる急務であり、引き続き調査を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の妊娠・出産のため、石垣島で予定していた現地調査を行うことが出来なかった。本年度は新石垣空港開港前に採取したデータ解析ならびに開港前の土地利用状況解析、現地調査のための機器整備を重点的に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の育休終了後、石垣島での現地調査ならびに水質分析等を進め、当初の計画通り新石垣島空港開港後の環境変動を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の妊娠・出産のため、今年度予定していた現地調査が中止になり、その旅費・機材費等が余り次年度使用額が生じてしまった。 石垣島での現地調査旅費、採水ビン・ろ紙などの調査消耗品、生物調査用のカメラ等機材費、水質分析のための高純度薬品費、データ解析用のHDD購入費等に充てる計画である。
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