2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25820241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 有克 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80589185)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 支援物資 / 在庫計画 |
Research Abstract |
本年度は,当初の研究計画に基づき,支援物資集積拠点の役割に関する文献調査と,支援物資集積拠点における在庫計画モデルの検討に取り組んだ. 支援物資集積拠点の役割に関して,一次物資集積拠点,二次物資集積拠点での支援物資の実態や課題を調査した.多くの集積拠点で,義援物資が大きく影響していた.義援物資は,通常の需要として扱うことが困難であり,物資調達の取り扱いが難解となる.支援物資管理に大きな影響を及ぼすため,どのように考慮すべきか,さらなる調査が必要である. また,物資集積拠点における貯蓄もしくは在庫が,どのような基準で設けるべきであり,適正な在庫がどうあるべきかを考える必要がある.供給が需要を十分に満たすことができる場合,支援物資の性質上,需要に一致する供給がなされるべきである.一方,需要が過多であり,供給が十分でない場合,できる限りの物資を支給し,在庫は取るべきではなくなる. 在庫計画モデルに関しては,通常の企業における在庫を取り扱ったモデルでは,在庫水準を決定するモデルか,発注頻度を決定するモデルとして構築されている.災害時の在庫は,性質が全く異なることは明らかであり,上記の文献調査において検討した内容を反映したモデル検討が必要となる.本研究で目指す,災害時の在庫計画モデルに関しては,どの主体のためのモデルであり,どの主体に焦点を当てるかが重要な課題となる.もっとも物資供給の調整を担うべきは,県などが想定される一次物資集積拠点であり,そこでの活用が見込まれるモデルが求められると考えられる.一次物資集積拠点を中心にしたモデル構築を検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実績の概要で述べたように,本年度文献調査を中心に取り組んだが,多くの課題が明らかになった. 文献調査としては,一定程度取り組めたといえるが,本研究で取り扱う状況,目指すモデルの構築が十分ではない.当初は,被災後の状況を想定し,在庫を計画できるようなモデル構築を目指していたが,事前の支援物資供給のための対策を検討することが求められると考えられる. モデル構築が進んでいない状況であるので,平成26年度以降,表現する状況の再検討とモデル構築を課題として,進めていくこととなる.
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Strategy for Future Research Activity |
災害時の状況を事後的に扱うことを意図していたが,事後だけではなく,事前をしっかり含めた構造の必要性を感じている. 今後,事前計画と事後計画の一体性を含めたようなモデル構築を目指し,それぞれの部分を検討していく. 当面の目的として,事前の支援物資拠点の在り方について考え,その中で事後の支援物資の在庫の在り方を考えていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度,当初計画のように,研究が進んでいない.学生謝金として考えていた経費の使用が発生しなかったこともあり,残額が生じている. 次年度,情報の収集のための学会参加活動を増やし,研究の進捗に応じて,学生への協力を依頼することを考えている.
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