2014 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷型の都市構造実現に向けた人口減少適応型の地区別ロードマップの開発
Project/Area Number |
25820243
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
氏原 岳人 岡山大学, 学内共同利用施設等, 助教 (20598338)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人口減少 / コンパクトシティ / 都市スポンジ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の地方都市では,人口減少に即した都市域のコンパクト化が急務であるが,人口減少下の土地利用変化に関する研究蓄積は十分ではない.本研究では,人口減少下における土地利用変化の実態を把握するとともに,都市コンパクト化に向けての知見を得ることを目的とした。 2013年度は,人口減少下の地方都市(岡山県津山市)の建物約5万棟を対象に、10年間の建物開発・滅失データベースを構築し,建物・土地利用変化の実態を把握した。主な分析結果は以下の通りである. 1)建物開発は郊外部を中心に進んでいるが,建物滅失は中心部で比較的多く見られた.また,生活インフラ施設の視点からみると,都市コンパクト化とは逆行する方向で都市構造の非効率化が進んでいた.2)建物開発及び滅失状況を目的変数とした重回帰モデルからは,例えば,古い建物の多い地域で,建物滅失が相対的に多いわけでないこと,インフラがしっかりと整備された地域は,建物滅失も多いが建物開発も多いことなどが示された. 2014年度は,前年度の分析結果より,地区タイプによって土地利用変化のパターンが異なることから,都市整備手法に着目して分析した. 主な分析の結果は,1)わが国の多くを占めるスプロール市街地は,相対的に世帯が減少しやすく,都市スポンジ化が顕在化する可能性が高い.特に,利用意向もなく空き家を放置する形で衰退する特徴がある(使い捨て市街地).一方,2)土地区画整理事業の実施地域は,土地の流動性が高く,循環しながら活用される傾向にある(リサイクル市街地).3)以上の分析結果に基づいて,立地適正化計画の区域設定の視点から,都市コンパクト化に向けた地区タイプごとの都市整備の方向性を示した.
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