2013 Fiscal Year Research-status Report
カーシェアリング普及がもたらす地方都市特有の個人的・社会的便益の実証的検討
Project/Area Number |
25820244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 春菜 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00582644)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーシェアリング / 地方都市 / 移動格差 |
Research Abstract |
本研究は、カーシェアリングシステムが地方都市で普及された場合にもたらされると考えられる、諸効果を検証するものである。大都市での普及と異なり、公共交通が不便である地方都市では、自動車非利用者の活動領域拡大によるモビリティ格差緩和の効果などが期待される。 初年度にはまず、実証実験の実施準備・関係機関との調整を行った。具体的には、近隣の自治体担当者にヒアリングを行い、行政におけるカーシェアリングの活用可能性について意見を求めた。また、大学事務部担当者、学生と協議し、学生のカーシェアリング利用の可能性について意見を求めた。また、実験に用いるカーシェアリングシステムの運営企業等と実施に向けた調整を行った。 以上の調整の後、実証実験を実施した。対象としたカーシェアリングシステムの利用者に対して、その実利用データを把捉するとともに、利用前後に意識・行動の把握を目的としたアンケート調査とインタビュー調査を行った。意識調査では、行動範囲の拡大に伴う地理知識の変化の程度や、移動・生活への満足度、孤独感等について設問を設けた。 その結果、地方都市におけるカーシェアリング導入の効果について、自動車非保有であった被験者がカーシェアリングの利用によって移動の満足度が向上し、さらに今まで行かなかった場所へ行くようになるなどの移動機会が拡大する可能性が示唆された。また、インタビュー調査からカーシェアリングの利用によって友人や他者との交流が増えると感じる被験者が多く、社交性にも影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における計画のロードマップに示したCS加入実験と利用データの分析はほぼ予定通り終了し、学会発表への投稿や論文投稿なども予定できている。但し、研究目的の一つである地域意識活性効果についての調査が不十分であると感じている。ついては、次年度に追加調査をするなどして検証していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画で記載したカーシェアリングシステムに加え、平成26年度に近隣で新たなカーシェアリングシステムの導入が予定されているため、こちらのシステムを対象としたデータも把捉し、分析を蓄積することで研究結果の妥当性を向上したいと計画している。
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