2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際貿易と国内地域間交易の相互影響を考慮した国際輸送社会基盤政策評価モデルの構築
Project/Area Number |
25820245
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石倉 智樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (30356050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応用一般均衡分析 / 港湾政策 / 空港政策 / 多地域経済システム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては,研究計画の予定通り,構築した応用一般均衡モデルの実用化へ向けて,実際の経済統計資料である東京都産業連関表を用いて,国際港湾整備および国内交通整備のそれぞれの政策シナリオに対してモデルを適用し,モデル分析結果の検証を行った.さらにこれらの政策を複合的に実施した場合の効果についても検討した. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果をまとめると,本研究は,従来の手法では扱われていなかった国際貿易と国内地域間交易の相互影響関係を,空間的応用一般均衡(SCGE)モデルの枠組みにおいて明示的に考慮した,国際輸送社会基盤政策評価モデルを構築することを目的とし,これを達成した. より具体的には,本研究の骨格となる空間的応用一般均衡モデルの原型は筆者による先行研究で確立されており,同モデルには組み込まれていない国内地域間輸送の部分をモデル化し,新たなモデル開発を行った.地域間輸送費用の表現方法として,空間経済学分野において実績の多いIceberg型モデルを応用した.モデルのキャリブレーションに関して,従来のSCGEモデルでは既存の地域間産業連関表のみで基準均衡データを作成可能であったが,本研究では国際貿易のシステムが精緻にモデル化されているので新たなデータ整備手法が必要となった.そこで,地域産業連関表,国内交通ネットワークデータ等の各種データを用いて,不足部分のデータを整備する手法を確立した.さらに,構築した理論モデルを東京都産業連関表に適用し,東京における港湾整備政策および,東京都とその他日本の地域との国内交通整備政策効果の推定を行った.
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