2015 Fiscal Year Annual Research Report
データオリエンテッド型交通行動モデルの構築と公共交通マーケティングへの適用
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25820249
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
西内 裕晶 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40548096)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ICカードデータ / 公共交通 / マーケティング / 生存時間分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,公共交通利用者それぞれに対する公共交通マーケティング方策検討のため,個別の利用頻度の変化を分析した.具体的には,平成26年度までの成果で適用した生存時間分析をICカードデータで得られるIDに着目して,公共交通利用者の公共交通利用頻度の変化を把握するものである. まず,生存時間分析を適用するに当たって必要となる公共交通利用者の利用維持の定義を,ICカードデータを集計することにより決定した.その結果,週あたりトリップ数が基準値(データ取得期間の初めの1ヶ月間の週あたりトリップ数)よりも低い水準で連続して継続した週が,3週以上続く利用者は全体の約40%であることが分かった.これにより本研究では,4週連続で基準値よりも低い水準で公共交通を利用した利用者は,その利用を維持できていないものと定義した.これにより,各利用者がデータ取得期間中に利用を維持できたかどうかを集計し,これを生存時間分析の被説明変数として利用した. 次に,ICカードから得られる,公共交通利用者のトリップ特性(平日・休日の利用頻度,朝時間帯の利用頻度,ODペア数,路面電車利用頻度,利用経路の多様性,所要時間,カード種別)を整理し,生存時間モデルへの説明変数として使用するためデータを整理した. 整理したデータを用いて,生存時間モデルを構築した.その結果,公共交通の利用を維持させるためには,平日のトリップ数,ODペア数の増加,休日の長距離(長時間)の乗車を増やす,高齢者に多く活用して頂くことが重要であることが分かった.また,自宅から職場までの経路のみを利用するというような利用経路の多様性のない利用者は利用を維持できない傾向にあり,立寄りを促すことも公共交通の利用を維持させるのに重要であることが示唆された.
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