2014 Fiscal Year Annual Research Report
正浸透(FO)膜処理プロセスにおける膜ファウリング物質の特性解析
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25820255
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
三好 太郎 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80587791)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 正浸透膜ろ過法 / 膜ファウリング / 下水処理 / 海水淡水化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、正浸透(FO)膜ろ過プロセスにおいて実際に膜の閉塞(膜ファウリング)に関与する有機物群を特定することを目的としているが、研究開始当初想定していた膜分離活性汚泥法(MBR)処理水のFO膜処理はシステム全体としての競争力に乏しいことから、最終年度においては、より現実性が高いと考えられる都市下水の直接FO膜ろ過及びFO膜を用いた海水淡水化過程における膜ファウリング原因物質の特性解析を実施した。実都市下水及び実海水を原水とする連続膜ろ過試験を実施し、試験終了後の閉塞膜より回収した膜ファウリング原因物質の特性解析を実施したところ、膜ろ過原水中においては必ずしも支配的ではなかった微生物由来の有機高分子(いわゆるバイオポリマー類)が膜ファウリング原因物質中においては主要な構成成分となっていたことを明らかにすることができた。また、実下水を用いた膜ろ過試験においては、従来FO膜ろ過プロセスではほとんど発生しないと指摘されていた、物理洗浄で解消することのできない物理的に不可逆的な膜ファウリングが発生することも明らかとなった。このような知見は、従前より精力的に実施されてきた代替物質(ウシ血清アルブミン、Aldrich社製のフミン酸、アルギン酸ナトリウムなど)を用いた実験では解明することができなかったことであり、新規性の高い有用な知見であると考えている。
本研究の最終目的は実際にFO膜ろ過プロセスが適用される可能性のある場面を想定し、そこで膜ファウリングに関与し得る有機物の特性に関する情報を取得することである。実下水への直接FO膜ろ過の適用に関しては、実用化に向けた検討を視野に入れることができるような性能も得られていることから、研究期間全体を俯瞰した場合、現実性のある膜ファウリング原因物質の特性解析を実施することができたという観点で、当初の目標を達成することができたと判断している。
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