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2013 Fiscal Year Research-status Report

高耐久高耐力外装材による耐震補強効果の検証

Research Project

Project/Area Number 25820263
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

中尾 方人  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 特別研究教員 (60323937)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsモルタル外壁 / ステープル / 腐食 / 木造 / 在来軸組構法 / 耐震補強 / 耐力壁 / 耐久性
Research Abstract

本研究は、在来軸組工法の既存木造戸建て住宅を対象とし、建物の外周壁を高耐久、高耐力のモルタル外壁に改修することによる耐震補強効果を実験的・解析的に検証するものである。近年のモルタル外壁は、通気構法の採用によって、既存の直張り構法と比べて耐久性が向上しており、また、適切に施工すれば、構造用合板に匹敵する構造性能を有することも確認されている。本研究成果によって、外周壁のみの改修で、既存木造住宅の耐震性を確保することができるようになれば、改修費用の負担も軽減することができ、木造戸建て住宅の耐震化促進につながると考えられる。
平成25年度においては、モルタル外壁の耐力発現に大きく関係するステープルを対象とし、水分による腐食の影響を把握するために、高温・高湿環境で腐食の発生を促進させた試験体での一面せん断加力実験を行った。仕上塗材を施工した160mm角のモルタル壁要素試験体を製作し、温度と湿度がそれぞれ約60℃、100%のステンレス容器に試験体を3週間入れることで、ラスやステープルの腐食を促進させた。
高温・高湿環境に3週間置いた、亜鉛メッキのステープルは、ラス下地板から突き出た部分に赤さびが付着していた。この状態で一面せん断試験を実施した結果、劣化がない状態と比べてせん断力-変位関係のばらつきが大きいが、耐力は低下している傾向がみられた。なお、ステンレス製のラス、ステープルを用いた場合については、若干の耐力上昇がみられた。
また、開口部コーナーでの破壊性状を把握するため、掃出し開口を有する1215mm×1215mmのモルタル外壁試験体で静的せん断加力実験を行った結果、開口部のコーナー補強の平ラスに標準より大きな寸法のものを用いることで、ひび割れ発生後のひび割れの拡大が抑制される効果が確認された。また、質量の大きなラスを用いることでも同様の効果を確認することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の実施計画は、モルタル外壁に使用されている材料の構造特性の把握、開口部コーナーでの破壊性状の詳細な把握、また、ステープルの腐食の影響を把握するための、腐食したステープルでの一面せん断加力実験であった。
各項目ともほぼ目的を達成した。ステープルの腐食を生じされるため、当初は試験体の屋外暴露を計画していたが、仕上塗材の下地への追従性が高く、試験体の表面にひび割れが生じ難く、雨水浸入による腐食が期待できないこと、常温でラスやステープルの腐食を生じさせるためには比較的長い時間が必要であることが分かったため、高温・高湿環境で腐食を生じさせる方法に変更した。その結果、ステープルの腐食は概ね3週間程度で生じさせることができ、研究の遂行に支障をきたすことがなかった。
また、掃出し開口付き試験体のせん断加力実験では、開口のコーナー部からのひび割れが発生し、想定したとおりの破壊性状となった。1/10radまでの加力を行った結果、当初の目的どおり、モルタル外壁の破壊性状を詳細に把握することができた。ラスの種類の破壊性状への影響についても定量的に把握することができた。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度には、モルタル周辺の拘束による耐力および変形性能への影響を把握し、さらに、建物の一構面全体を対象とした増分解析によって、モルタル外壁による耐震補強効果を把握する。また、実験データ数を増やすため、ひきつづき、ステープルに腐食を発生させた試験体での一面せん断加力実験も行う。
実際の建物においては、軒、水切り、サッシ、直交壁など、モルタルの面内挙動を拘束する様々な要因がある。そこで、水平力作用時のモルタルの面内挙動が拘束された場合の耐力および変形性能への影響を把握するため、モルタル壁の周辺の拘束状況の異なる壁長2P(1820mm)、高さ2730mmの無開口実大試験体の静的せん断加力実験を行う。
さらに、モルタル外壁による耐震補強効果を検証するため、連続した外壁の一構面全体の解析モデルを作成し、増分解析を行う。また、解析結果を考慮し、実際の補強設計で用いるために、通気構法のモルタル外壁の剛性および耐力の評価法も提案する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 耐久性の高いモルタル外壁の水平耐力評価に関する研究 その1 増分解析モデルの検討2016

    • Author(s)
      中尾方人
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      神戸大学
    • Year and Date
      20160912-20160914

URL: 

Published: 2015-05-28  

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