2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25820263
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中尾 方人 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 助教 (60323937)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モルタル外壁 / ステープル / 腐食 / 木造 / 在来軸組構法 / 耐震補強 / 耐力壁 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、在来軸組工法の既存木造戸建て住宅を対象とし、建物の外周壁を高耐久、高耐力のモルタル外壁に改修することによる耐震補強効果を実験的・解析的に検証するものである。本研究により、モルタル外壁の水平耐力評価が可能になることで、木造戸建て住宅の耐震化促進につながるものである。 平成26年度においては、昨年度に製作した160mm角のモルタル壁要素試験体によって、面内の引張試験を実施した。その結果、横張りのラスに対して引張力が鉛直方向の場合の最大耐力は約1kN、水平方向の場合は約3kNと大きな違いがあることが分かった。また、表層に伏せ込んだガラス繊維ネットの負担力は1.5kN程度であり、モルタルのひび割れ防止に大きな効果があることが分かった。 また、壁長が910mmの実物大モルタル外壁試験体を製作し、せん断加力実験を行った。柱径程度の長さの直交壁があることで、最大耐力は約11kNとなり、ない場合の最大耐力5kNの2.2倍であった。モルタル層の回転が直交壁によって拘束されることで、剛性や耐力が顕著に増加することが分かった。また、耐力壁としての構造用合板の上にモルタル外壁を施工すると、通気胴縁やラス下地板の釘によって、構造用合板の釘が打ち増しされ、最大耐力は構造用合板のみの場合の2.5倍である約22kNとなった。 さらに、壁試験体を対象に、これまでに行った要素実験の結果を用いたFEM増分解析を実施し、実験結果に近い荷重-層間変位関係が得られたことから、解析モデルが妥当であることを確認し、次に、実際の建物を想定した開口を有する解析モデルによって、モルタル外壁が負担する水平耐力を求めた。開口を有するモルタル外壁の水平耐力は、無開口のモルタル外壁の水平耐力から、開口の面積分だけ低減した値に近く、このことは、簡易な水平耐力評価法として利用できることが分かった。
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Research Products
(1 results)