2014 Fiscal Year Annual Research Report
建物の冗長性・ロバスト性向上のための最悪シナリオを考慮した最適制震構造設計法
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25820264
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
藤田 皓平 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40648713)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | ロバスト最適設計 / ロバストネス関数 / 不確定性解析 / 区間変数 / 制振構造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，種々のばらつきに対する建物の頑強さ(＝ロバスト性)の定量的な指標であるロバストネス関数の評価に基づいた制振建物に対するロバスト最適設計手法を提案した。本手法は，種々のばらつきに対するロバスト性を向上することを目的としており，種々のばらつきに起因する想定外の最悪な事態を建物の設計時に考慮することを目指すものである。具体的には，指定された性能値におけるロバストネス関数の最大化を目的として，建物の剛性分布やダンパーの配置等の設計に対する意思決定を補うものである。ロバストネス関数の定量的な評価を行うために，従来の不確定性解析法では，種々のばらつきを考慮した際の建物の地震時応答上限値を時刻歴応答解析により評価する場合には，ノミナル値(＝現在の設計モデルのパラメター)の近傍のみの感度情報から，不確定パラメター（例えば，建物の減衰係数や，剛性などの物理パラメター）の変動による全体の応答変動を推定する従来の不確定性解析では推定精度に問題がある事例が存在することを明らかにした。そこで本研究では，変動を考慮する不確定パラメターに対する大域的な目的関数の変動を，変数の変動区間の上限及び下限(＝区間変数)において変動区間の端点における応答値を参照することで，変動区間全体の大域的な応答変動を評価した。本手法では，計算負荷を抑制しつつ応答上限値を高精度に推定することが可能であるため，本手法によるロバストネス関数の評価値を，最適化の目的関数に組み込むことが可能となった。ロバストネス関数の評価に基づくロバスト最適設計法を適用したロバスト最適ダンパー配置問題の一例では，ばらつきを考慮しない通常最適配置と比較して，ノミナルでの応答値に大きな違いはないものの，ある程度ばらつきを許容した場合にはロバストネス関数値が2割程度増加し，ロバスト性の向上が見られることを明らかにしている。
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