2013 Fiscal Year Research-status Report
損傷を受けたコンクリート容器のγ線遮蔽性能定量評価
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25820265
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
鈴木 裕介 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (90635400)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 高密度モルタル / 鉄粒粉 / 放射能汚染物 / 放射性セシウム / 体積線源 / γ線遮蔽性能 / ひび割れ |
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| Research Abstract |
本研究では，原発事故時に飛散した放射性セシウムによる放射能汚染物から発する放射線（主にγ線）遮蔽用高密度コンクリートの開発とそれの放射線遮蔽性能評価について，実験及び解析を通し検討している。並びに，遮蔽コンクリートに何らかの影響でひび割れが発生した際，そのひび割れによる放射線遮蔽性能低下に関する基礎資料を蓄積することを目的としている。平成25年度は、以下の項目について実施した。
①鉄粒粉骨材を用いた高密度モルタルの開発：一般的な骨材の代替として使用した鉄粒粉の粒径や混入量を最適化し調合することで，打設及び硬化時において鉄粒粉骨材が分離することなく，密度5.0g/cm3を有した高強度かつ極めて高い耐中性化性能を持つ高密度モルタルの作製が可能であることを示した。
②高密度モルタルのγ線遮蔽性能評価実験：原発事故で発生した汚染物を線源に用いた遮蔽実験によって，実際の汚染物格納を模擬した実験方法を示すとともに，遮蔽体の密度や壁厚，並びに，線源の放射能汚染レベルの違いによる遮蔽性能評価を実施した。
③ひび割れによるγ線遮蔽性能劣化：様々な密度及び板厚を持つ遮蔽高密度モルタルにおいて，1本のひび割れ（及び理想的なひび割れ形状を模擬したスリット）幅をパラメータとした遮蔽実験を実施し，損傷度とγ線漏えい量の関係について評価した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における遮蔽実験では，箱型である遮蔽容器本体（密度5.0g/cm3の高密度モルタル）とその容器本体の蓋板となる遮蔽板を用い，その遮蔽板の中央部を放射線の測定点とした実験を実施している。遮蔽体の厚さや密度といった遮蔽条件を変更する際は，この遮蔽板（平面200x200mm程度のもの）を取り替えることのみで評価が可能となるよう工夫している。そのため，初年度においても数多くのパラメータに対する遮蔽性能を評価することができた。ならびに，損傷（ひび割れやスリット）を有する遮蔽板についても，特別な器具を用いずそのひび割れ幅を簡易的に制御可能な手法を開発したため，今後さらなるパラメータの増加及び実験を速やかに実施することが可能である。以上のことから，上記のような自己評価と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，遮蔽体の損傷度と損傷部からのγ線漏えい量について，定量的評価を実施する予定である。詳細として，実験やモンテカルロ法によるシュミレーションを通し，理想的なひび割れとして模擬したスリットに対し，自然ひび割れの面積（直線ではなくなるためスリットに比べ面積が大きくなる）やひび割れ表面の粗度などをファクターとして，γ線漏えい量の評価手法を提案する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終的（26年度終了時）に多くの遮蔽条件についてより効率的な実験を実施することで遮蔽性能を評価する計画としたため，25年度の実験では，当初の計画に対し試験体（遮蔽容器）の縮小化と材料の限定化を図り，今後実施すべき遮蔽条件を抽出した。よって，26年度にはそれらを満たす遮蔽容器製作のための材料費及び型枠作製費などを26年度分として繰り越した。
26年度は，25年度の実験で抽出できた遮蔽条件を満たすための遮蔽容器製作費などが主たる計上である。加えて，遮蔽体の損傷度と損傷部からのγ線漏えい量について定量的評価を実施するための，ひび割れ表面の粗度測定器具及びひび割れ面積（長さ）を測定するための高性能スキャナ等の購入費として計上している。また，シミュレーションを実施するための解析消耗品等に使用する予定である。並びに，25年度の研究成果を高松、神戸で発表する予定であるためそれらの出張旅費として計上している。
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