2014 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド型繊維補強によるポーラスコンクリートの耐久性の改善
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25820272
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
齋藤 俊克 日本大学, 工学部, 助教 (70547819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポーラスコンクリート / 繊維補強 / ハイブリッド / 耐久性 / 屋外暴露 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ハイブリッド型繊維補強によるポーラスコンクリートの耐久性改善を目的に,①粗骨材間を架橋する一定長さの短繊維を用いたポーラスコンクリート組織の補強(単独補強),②単独補強①と微細繊維を用いた結合材補強の併用(ハイブリッド型補強Ⅰ),③ハイブリッド型補強Ⅰと構成材料間の付着特性改善のためのポリマー混入の併用(ハイブリッド型補強Ⅱ)を適用した供試体を作製し,それらの耐久性試験を実施している。3年の研究期間の2年目である平成26年度は,次に示す促進耐久性試験及び屋外暴露試験を予定していた。 (1)ハイブリッド型補強Ⅰの供試体についての乾湿繰返し及び凍結融解試験(促進耐久性試験) (2)単独補強,ハイブリッド型補強Ⅰ及びⅡの供試体についての屋外暴露試験 (1)については,予定したハイブリッド型補強Ⅰの供試体の凍結融解試験は前年に終了したため,予定を繰上げハイブリッド型補強Ⅱの供試体について実施した。凍結融解試験においては,所定のサイクルにおける相対動弾性係数及び質量減少率を測定し,相対動弾性係数が60%を下回った時点で曲げ試験を行い,ハイブリッド型繊維補強の優位性を把握するに至った。なお,乾湿繰返し試験については,前年から継続して凍結融解試験同様の測定を行っているが,相対動弾性係数が60%を下回る劣化が認められていないため,試験を継続している。 (2)については,屋外暴露開始1年経過した北海道泊村及び東京都三宅島において供試体の相対動弾性係数及び質量減少率を測定した後,供試体の一部を大学に送付し,曲げ試験を行った結果,いずれの調合においても現状では明らかな劣化が認められないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度における研究については,研究実績の概要に示した(1)及び(2)のいずれの項目についても,おおむね計画通りに研究が進行している。その結果,研究初年度の成果を取りまとめ,審査論文1編及び口頭発表2編の研究業績を得ており,順調に研究が進展していることを裏付けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き,基本的には申請書の計画通りに,各年度に予定している促進耐久性試験及び屋外暴露試験を行っていく予定である。しかし,乾湿繰返し試験については,単独補強の供試体において,耐久性を評価できるほどの劣化の進行が認められないため,計画期間を延長して試験を継続する。そのため,ハイブリッド型補強Ⅱの供試体については,乾湿繰返し試験を計画通りに実施しないこととする。
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Causes of Carryover |
平成26年度は計画段階で予定していた沖縄県辺野喜での屋外暴露試験の実施を断念したこと及び第77回日本建築学会東北支部研究報告会の会場が所属機関(日本大学工学部)であったことから出張旅費が計上されなかったため残高が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に生じた若干の残高と合わせて執行する平成27年度の経費は,平成27年度の研究の実験的研究に要する使用材料費及び実験用消耗品,屋外暴露に要する出張旅費などが主たる計上となる予定である。又,日本コンクリート工学会のコンクリート工学年次大会2015(千葉),2015年度日本建築学会大会(関東),第78回日本建築学会東北支部研究報告会,第12回日本・韓国建築材料施工Joint Symposium での研究発表における出張旅費の計上を予定している。
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Research Products
(3 results)