2014 Fiscal Year Research-status Report
繰返し履歴を考慮した欠陥から発生する脆性破壊予測:累積塑性変形能力推定方法の確立
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25820276
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
岩下 勉 有明工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10332090)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脆性破壊 / 切欠き / 塑性変形能力 / ワイブル応力 / 繰返し負荷 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.切欠きから発生する脆性破壊の実験および解析 平成25年度に実施した実験と解析結果を分析し,25年度の実験よりも大きな振幅による繰返し載荷実験を行った.また,一定振幅による繰返し載荷(予履歴)後の単調載荷実験に関しても,追加実験を行った.すべての試験片で予定通り,脆性破壊が発生し,大きな振幅を与えた試験片は小数回の繰返しで破壊することが確認された.予履歴後の単調載荷に関しても,予履歴時の繰返しが多い場合,その後の単調載荷において小さな変形で脆性破壊が生じることが確認された.また,平成25年度と同様に,実験と並行して有限要素解析を行い,切欠き先端の応力状態,および,脆性破壊の発生限界を求めるためにワイブル応力を調査した. 2.累積塑性変形能力推定方法の検討・開発 上記1.を通して,脆性破壊までの累積塑性変形能力と振幅(ワイブル応力)の関係を定性的に評価するためのデータを増やすことができた.これまでに,振幅が大きくなるほど,累積塑性変形能力が小さくなるという結果が確認できている.この関係は最少二乗法により,おおむね直線で近似することができる.さらに,予履歴後の単調載荷に関して,予履歴とその後の単調載荷の塑性変形能力を分けて,それぞれを整理すると,予履歴後の単調載荷時の変形能力のプロット点が,ばらつきは伴うものの前述した近似直線上に分布することが分かった.以上のことは,一定振幅繰返し載荷実験と予履歴後の単調載荷実験を統一的に評価できる可能性を示唆するものである. 3.成果公表 国際会議(15th International Symposium on Tubular Structures)にこれまでの成果を論文投稿した.平成27年5月下旬に成果を発表することになっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は,公務の関係で,予定より研究を進めることができなかった.具体的には,追加実験の試験片本数であり,20本程度の追加実験を検討していたが,実際にはその半分の10本程度を実施した.ただし,その遅れは,大きなものではなく,不足分は平成27年度に実施できる.また,若干の遅れの一方で,平成25年度で課題となった点の追加実験(一部)および分析を行うことで,新しい知見を得るとともに,そのことに関して,成果公表をするための論文投稿(国際会議)も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に計画していた追加実験不足分を実施するとともに,平成27年度の研究実施計画に沿って,実験および解析を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加については,公務等により参加できず,旅費を利用することはなかった.また,実験補助についても予定より少ない実験で,研究室学生・技術職員のみで対応することができ,人件費も利用しなかった.成果投稿については,学会の日程の関係から次年度で利用することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に参加予定の国際会議はブラジルで行われるが,予定より費用がかかるため,その旅費や成果投稿に利用する.
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