2013 Fiscal Year Research-status Report
体験・就業支援と空き家活用を組み込んだ包括的移住支援システムの構築
Project/Area Number |
25820290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 幸子 筑波大学, システム情報系, 助教 (30509526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地方自治体 / 定住支援 / 移住支援 / 転入超過率 / 転入者 / 空き家 |
Research Abstract |
1)対象自治体の抽出:人口減少の問題が顕著に表れている自治体を抽出するため、①2005 年~2010 年の人口増減率、②2005 年~2010 年の転入超過率(転入超過数/人口)の平均値、③2012年の過疎市町村割合、の3指標において、各々下位20に含まれる25県を選定した(北海道を除く)。そのうち、定住支援事業に取り組んでいることが把握できた289市町村を対象自治体として選抜した。 2)自治体別転入超過率の推移分析:政府統計データ「住民基本台帳 人口移動報告」を用いて2000年から2010年の10年間の転入超過率(転入超過数/人口の推移)の推移分析を行った。289市町村のうち、転入超過率が上昇していることが確認された自治体は20県73市町村(25.3%)である。 3) 定住プロセス別支援内容の抽出:2)で抽出した73市町村を「転入人口が増加していると自治体」として位置づけ、定住支援事業に関するアンケート調査を実施した。調査項目は、①事業開始時期、②体験・滞在支援の有無と内容、③就職・就農支援内容、④住宅提供方法、⑤UIターン者数、属性等である。定住プロセスを転入前・転入時・転入後の3つに区分し、プロセス別に支援内容の構成要素を抽出した。その結果、転入前は情報提供と相談対応、転入時は就職支援と住宅提供、転入後は子育て支援に取り組む自治体が大半であった。一方で、地域への適応性を判断する体験・滞在支援や、転入後の地域に馴染むための支援を実施する自治体は少数であり、これらの支援に取り組む体制を整えることが課題である。 4) 先進事例調査:アンケート調査結果を踏まえ、先進自治体nお事業内容に関しヒアリング調査を実施した。調査自治体は長野県原村・飯島町・下諏訪町、山梨県山梨市、福井県勝山市、新潟県南魚沼市である。特に長野県の3町村においては、若年世帯が多く転入していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度に計画していた統計情報の収集および分析、自治体アンケート調査は計画どおり実施することができた。さらにH26年度に予定しているヒアリング調査の一部を先行して実施することができた。一方で年齢階層別の転入者を求め、転入形態を「若年世帯増加」、「中高齢世帯増加」、「若年・中高齢世帯増加」等に類型化する予定であったが、年齢階層別の転入者データについて、2010年以前のデータを取得することができなかったため、年齢階層別の転入形態を把握することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)システムの事例分析:H25年度のアンケート及びヒアリング調査結果をもとに、先進事例調査を行い、転入前・転入時・転入後の定住プロセス別の支援内容と自治体の運営体制を明らかにする。H25年度は特に若年世帯をターゲットに事業に取り組む自治体を対象とする計画である。 2)転入者の転入意思決定プロセス:システムの事例分析を行った自治体の転入者に対する聞き取り調査により、①転入先の調査・検討から転入までの意思決定プロセス、②住居形式と住まい選択理由、③体験住宅・体験事業・就業支援の利用状況と評価を明らかにし、転入の意思決定に影響を与えた支援内容の特徴を明らかにした上で、自治体の支援システムの有効性の検証を行う。
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Research Products
(1 results)