2015 Fiscal Year Annual Research Report
体験・就業支援と空き家活用を組み込んだ包括的移住支援システムの構築
Project/Area Number |
25820290
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 幸子 筑波大学, システム情報系, 助教 (30509526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地方自治体 / 地域特性 / 移住・定住 / 就業支援 / 転入者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)包括的移住支援システムの事例分析:本研究で対象とした413市町村の定住支援事業のうち、情報提供・相談、お試し支援、住まい調達支援、仕事の支援、定住支援の全ての分野に取り組む方式(27市町村)を「包括的支援システム」と位置付け、地域特性が異なる4市町を選定し事例分析を行った。お試し支援及び仕事の支援の分野では、近隣都市との距離により違いが見られ、福岡市や広島市に近く県内からの移住者が多い筑後市と安芸太田町では短期滞在施設が設置され、都市部への新幹線や高速通勤補助を導入する一方で、遠方からの移住者の多い豊後高田市と飯島町では短期の体験プログラムに加え1ヶ月以上の長期滞在施設が設置され、市町内企業と移住者のマッチングや起業支援が導入されていた。住まいの支援では、共通して空き家バンクが導入されているのに加え、豊後高田市では賃貸から持家取得の住み替えを促す仕組みが導入されていた。 2)転入者の移住意思決定プロセス:飯島町の転入者18世帯に対する聞き取り調査により、転入までの意思決定プロセスと支援の利用状況を明らかにした。転入形態別の支援の利用状況の特徴として、リタイア世代・近隣地域からの住み替え世帯は、転職の必要がなく、住宅も新築志向であること、県外移住の現役世代は、情報提供・滞在支援が移住意思決定に影響を与えていること、新規起業希望者は、一般的な起業支援に加え、空き家等を活用した物件確保の支援も重要であることが明らかになった。 3)転入形態に対応した移住支援システムモデルの構築:移住支援システム先進事例調査結果及び転入者への聞き取り調査結果をもとに、転入形態を現役世代とリタイア世代に大分し、現役世代については職種により4つに細分した上で、お試し支援・仕事の支援体制及び、空き家等を活用した住宅供給方式を導入した包括的移住支援システムモデルを転入形態別に提案した。
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