2013 Fiscal Year Research-status Report
GPGPUによるPhase- field法コードの高速化
Project/Area Number |
25820325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大出 真知子 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主任研究員 (50370309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Phase-field法 / GPGPU |
Research Abstract |
本研究の目的はGPGPU(CUDA)をPhase-field法に適用することで計算速度の高速化をはかり、今まで計算時間の問題からスーパーコンピュータに頼るしかなかった計算対象をGPU搭載のワークステーションで可能にすることである。 初年度である本年は、Phase-field法プログラムにCUDAを適用、GPUを活用するPhase-field法プログラムを開発した。CPU/GPU速度比調査の結果、希薄溶液近似の計算プログラムではGPUプログラムの計算速度は3倍程度であった。これはCPUプログラムでは、計算負荷が大きい界面領域とそうでないバルク領域を分けて計算することで計算時間を短縮できるのに対し、GPUでは条件分岐を行うとウォープ・ダイバージェント呼ばれる計算量の増加を招くため、領域分けによる計算時間短縮が出来ないためである。仮にCPUプログラムから高速化条件分岐を外してGPUと同様の全領域計算を行うと、計算速度比は20倍程度まで上がる。 一方、計算ルーチンが1つ増える正則溶体近似用プログラムの場合、追加された計算ルーチン部分を5倍程度高速化することができた。正則溶体近似の場合、界面濃度計算が処理速度ボトムネックとなる。このルーチンをまずはCPU計算で条件分岐をし、繰り返し計算が必要な部分にのみGPUを適用する事で対CPU高速化効率の上昇を図った。結果として、正則溶体近似の計算の場合、GPU併用により3x5=約15倍の高速化することができた。当初の研究計画では計算時間を1/10以下にすることを目的としており、所期の目的を達成する事ができたと考える。なお本成果は日本金属学会の春の講演大会で発表をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では、初年度は正則溶体近似用のフェーズフィールド法のGPGPUコード開発を行う予定であり、その点は達成できている。また、目標であった計算時間1/10以下も達成しており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度で開発したGPUコードの更なる高速化を図る。GPU計算では条件分岐によるウォープ・ダイバージェントを起こさないようようにする事が高速化のカギとなるため、1)CPUでは計算効率化のために導入していた分岐処理をGPU計算では行わない、だけではなく、2)界面濃度計算用のデータベースをブロック化して、GPUに移行する前に条件分岐をする、3)データベースをCPUとGPU用の別々に生成する等々、様々なパターンで計算を行い最も効率良いGPUプログラムコードの選択を行う。また前年度ではコードの複雑化を招く為利用していなかった、シェアードメモリの活用も検討する。計算コードの高速化後には実用例への適用も順次行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定よりも当該研究に関する国内学会発表回数が少なく、そのための旅費の出費が無かった。 次年度使用額は10万円と多くないため、物品購入費に振り分けて使用する。
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Research Products
(1 results)