2013 Fiscal Year Research-status Report
複合有機テンプレート法を用いた球状多孔質リン酸カルシウムの合成
Project/Area Number |
25820344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 裕史 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (90434034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複合有機テンプレート / 球状多孔質粒子 / リン酸カルシウム / シリカ |
Research Abstract |
本申請研究は、申請者が世界的に初めて提案する複合有機テンプレート法(ベシクルやリポソームといった比較的サイズの大きな両親媒性分子集合体を粒子の形状を制御するためのテンプレートに,通常の球状ミセルなどを鋳型とすることで2 nm程度のメソポーラス材料を調製するためのテンプレートに用いる方法)を用いた球状多孔質リン酸カルシウム粒子の合成を行うことを目的としている。平成25年度上半期では、研究実施計画にのっとり、内水相にリン酸カルシウム前駆体および非イオン性界面活性剤を含むリポソームの調製につて検討を行った。その後の下半期では、そのリポソームを用いて、球状のリン酸カルシウム/非イオン性界面活性剤複合粒子の合成について検討を行った。その結果、いずれの実験についても成功したが、リン酸カルシウム/界面活性剤球状複合粒子の合成条件については、引き続き検討が必要である。 また、リン酸カルシウムだけでなく、生体分子の分離材などに応用されているシリカを用いた系についても検討を行った。その結果、リン酸カルシウムと同様に内水相にシリカ前駆体および界面活性剤を含むリポソームの合成に成功した。これより複合有機テンプレート法が様々な無機酸化物の球状多孔質粒子の合成に適用できることが示唆された。また、このリポソームを用いた複合粒子の合成について検討を進めたところ、シリカの中空カプセルを得ることは出来たが、球状複合粒子を得ることは出来なかった。今後はシリカについても球状複合粒子および中空粒子の合成の両面から検討を行う必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を達成するために、研究計画では4段階の細かい目標を設定している。平成25年度では、その内の2項目(内水相にリン酸カルシウム前駆体および界面活性剤を含むリポソームの合成、そのリポソームを用いた球状リン酸カルシウム/界面活性剤複合粒子の合成)について検討を行うことを計画し、それらの項目についてほぼ達成することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度では、球状リン酸カルシウム/界面活性剤複合粒子および球状シリカ/界面活性剤複合粒子を得るための反応条件について更に詳細に検討を行うとともに、得られた複合粒子から界面活性剤を除去し、多孔質化を行う方法について検討を進める。多孔質化を達成した後、生体分子の分離材としての優位性についても検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
科研費取得前から本実験は進行しており、その際に購入していた消耗品が残っていたため、計画書に記載した予定よりも消耗品費を使用しなかったため。 平成26年度は本実験に着手する学生の数を増員し、研究目的の達成を目指すため、試薬、ガラス器具などの消耗品費として使用する予定である。
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