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2014 Fiscal Year Research-status Report

表面特性制御による骨形成を促進あるいは抑制するチタン合金表面の創製

Research Project

Project/Area Number 25820348
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

稗田 純子  東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40566717)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsチタン / 表面官能基 / 表面エネルギー / 骨形成
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,インプラント材料として,どのような表面電荷量・表面エネルギーの大きさを持つチタン表面が骨の形成を促進あるいは抑制するのかを明らかにすることを目標としている.本年度は,昨年度に引き続き,チタンの表面特性と骨形成能との相関を調査するために,チタン表面を異なる化学官能基により修飾し,異なる表面エネルギーおよび表面電荷を有するチタン表面を作製した.化学官能基としては,メチル基,アミノ基,チオール基を用いた.超音波洗浄を行ったチタン(Ti),ピラニア溶液により親水化したチタン(Ti-OH),アミノ基修飾チタン(Ti-NH2),チオール基修飾チタン(Ti-SH),メチル基修飾チタン(Ti-CH3)の水の水滴接触角はそれぞれ約53,28,42,69,100°であり,Ti-OH<Ti-NH2<Ti<Ti-SH<Ti-CH3となった.さらに,水,ヘキサデカンおよびジヨードメタンの水滴接触角から算出した表面エネルギーは,それぞれ約72,102,74,83,35mJ/m2となり,Ti-OH>Ti-NH2>Ti-SH>Ti>Ti-CH3であった.チタン表面をメチル基,アミノ基,チオール基で修飾することで表面エネルギーを約35~102mJ/m2の範囲で変化させられることがわかった.各官能基で修飾したチタンを36.5℃の擬似体液中に3週間浸漬させ,ハイドロキシアパタイト(HAp)の析出挙動を調査した.3週間浸漬した時点では,各官能基で修飾したチタン表面に析出物は見られなかったが,XPSによる測定から試料表面にCaが存在することがわかった.各官能基で修飾したチタンにおけるCa2pのXPSスペクトルのピーク面積より推定されるCaの吸着量は,Ti>Ti-OH>Ti-NH2>Ti-CH3>Ti-SHとなった.本結果と水滴接触角および表面エネルギーとの相関については現在検討中である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度は,各種官能基によるチタン表面の修飾法の確立と表面エネルギーを中心とする表面特性評価を実施した。本年度は,各種官能基により修飾したチタンの表面特性と骨形成能との相関について明らかにする予定であったが,申請者が他大学へ異動となり,以前と研究環境および研究体制が一新され,新しい研究環境において,以前と同じ実験条件で基板の準備および表面修飾ができなくなった.そのため,当初の計画を変更し,基板の研磨,前処理および各種官能基による表面修飾条件の再検討から行ったため,当初の予定に対して進捗が遅れている.しかし,擬似体液への浸漬による骨形成能の評価にすでに着手しており,進捗の遅れを取り戻せると考える.

Strategy for Future Research Activity

次年度は,引き続き各種官能基で修飾したチタンの表面特性と骨形成能との相関について精査する.特に各種官能基で修飾したチタンの表面電荷について調査し,擬似体液への浸漬によるリン酸カルシウムの析出挙動との相関について調査・検討する.なお,擬似体液浸漬による各種官能基で修飾したチタン表面へのリン酸カルシウムの析出には非常に時間が要すること,および浸漬初期におけるカルシウムイオンおよびリン酸イオンの吸着挙動がその後のリン酸カルシウムの析出において重要であることから,浸漬初期におけるカルシウムイオンおよびリン酸イオンの吸着量についても調査を行う.さらに,チタンおよびチタン合金の微細組織と骨形成能との関係についても,表面電荷量および表面エネルギーの大きさの観点から,調査・検討を行う.

Causes of Carryover

次年度使用額は,チタン基板を当初予定していた板材での購入ではなく,より安価なチタン片の購入に切り替えたことや試薬,実験器具の購入に関して本年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である.

Expenditure Plan for Carryover Budget

生じた未使用額は,各種官能基で修飾したチタンの表面特性および骨形成能評価のために,チタン基板,試薬や実験器具等の購入費,共同利用分析設備の使用費,表面電荷測定のための装置がある東北大学歯学研究科へ出張するための旅費および学会での研究成果の発表のための費用として使用したい.

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Published: 2016-06-01  

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