2014 Fiscal Year Annual Research Report
複合鉄鋼組織のイメージベース有限要素モデリングによる延性破壊シミュレーション
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25820359
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
渡邊 育夢 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (20535992)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 / 機械材料・材料力学 / シミュレーション工学 / モデル化 / マルチスケール / 金属物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,材料組織の変形挙動からマクロ力学特性を評価する数値シミュレーション手法を用いて,塑性降伏・加工硬化・剛性低下といった金属材料の応力-ひずみ関係全体を表現する新たなアプローチを開発することである。本研究では一般化した概念の基で手法開発を進めるが,特に産業界の関心の高さから,大きく力学特性の異なる複数の相で構成される複合組織鋼を研究対象とした。ここで,研究課題は対象材料および力学挙動の数値モデルの開発と設定であり,複合組織鋼の材料組織の形態と延性破壊挙動を再現する数値モデリングおよびシミュレーション手法の開発に取り組んだ。 材料組織の有限要素モデリングに関して,理想形態・統計ベース・イメージベースの3種類のアプローチを検討し,特に,複合組織鋼の複雑な形態を考慮するために,計測データを基に形態情報を抽出し,有限要素メッシングをするイメージベースモデリング手法に注力した。本アプローチでは,組織形態を忠実に再現できる反面,計算コストが大きくなる傾向があり,並列計算の利用が必須である。 また,延性破壊モデリングに関して,ボイドやクラックという損傷の発展を考慮する連続体損傷理論と一般的な金属塑性構成モデルを統合する定式化とその安定的な計算アルゴリズムを開発し,商用有限要素解析ソフトウェアのユーザー拡張機能を用いて実装した。ここで開発したアプローチは結晶塑性構成モデルへも転用可能である。 開発手法を用いて,各相の体積分率が同一で材料組織の形態が異なる二相材料組織の有限要素モデルに対して変形シミュレーションを行い,損傷の発生・進展の違いに起因してマクロ応力-ひずみ関係に差が現れることを示した。
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Research Products
(16 results)