2014 Fiscal Year Annual Research Report
省エネを実現する高強度と熱・電気伝導特性を両立した炭素系ナノ粒子分散複合材の開発
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25820369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 久志 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (30452379)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粉末冶金 / 複合材料 / 炭素系ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度・高電気伝導特性を得るために,炭素系ナノ粒子の凝集解消と母相銅合金との整合性が重要となる.炭素系ナノ粒子にはVapor Growth Carbon Fiber (VGCF)を用い,銅合金粉末に分散付着する手法を確立した.母相と炭素系ナノ粒子の良好な結合を確保するに当たり,銅合金中の微量元素と炭素系ナノ粒子の反応特性が電気伝導特性,力学特性に与える影響を調査した.供試粉末には急冷凝固法によって作製されたCu-0.4mass%Ti,Cu-0.7mass%Cr,Cu-0.5mass%Siの3種類を用意した.実験の結果,Ti,Crを添加した材料は,VGCF添加量の増加とともに,電気伝導特性が向上する結果となった.強度は若干の低下を示すものの,固溶強化理論との比較結果より,分散強化が得られていることが確認された.VGCFと母相の炭化物を介した良好な結合性による分散強化と,母相中の添加元素固溶量の減少により,高強度と高電気伝導性を発現したといえる.一方,Si添加銅合金では,VGCF添加においても,力学特性や電気伝導特性に変化はなかった.銅中の固溶限が大きいSiでは,焼結過程でも固溶が保持され,上記反応は生じず,結果として特性に影響しなかったと考えられる. 上記結果を鑑み,純アルミニウム粉末にカーボンナノチューブ(CNT)を分散した高強度純アルミニウム基CNT分散複合材料について検討した.CNT単分散を実現した粉末を用い,CNTと母相間に生成する炭化物で,母相とCNTの強固な結合を保持しCNTならびに炭化物の分散強化を発現することが確認された.
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Research Products
(12 results)