2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25820385
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原 伸生 独立行政法人産業技術総合研究所, 化学プロセス研究部門, 主任研究員 (70613545)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気体分離膜 / 金属有機構造体 / 対向拡散法 / 多孔質物質 / 選択透過 / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、新規な多孔性物質として注目される金属有機構造体を用いた機能性分離膜の開発を進めている。特に、金属有機構造体の一種であるZIF-8を用いた分離膜の開発と、プロピレンとプロパンの分離用途への適用を目指している。 平成26年度においては、液相対向拡散法によるZIF-8膜の作製法について、作製条件が膜構造と透過特性に与える影響の検討を行った。対向拡散法による膜作製においては、反応物質の相互の拡散速度と分離相の形成速度の双方が大きく影響する。前年度の結果を踏まえて、本年度は溶液の界面における相溶性に着目した。液相対向拡散法において、溶液が相溶性であれば両溶液の混合と溶質の相互拡散の速度は速いが、溶液が非相溶であればこの速度は低下し、膜構造に影響を及ぼすと予想した。本研究においては、硝酸亜鉛水溶液と2-メチルイミダゾールの1-オクタノール溶液を用いてZIF-8膜の作製を行った。気体透過特性は、プロピレンとプロパンの単成分透過特性の測定を行った。この結果、二液の界面において形成されるZIF-8の結晶層には結晶間の欠陥が多く残存し、十分な分離係数は得られなかった。二液の界面の相溶性の影響を比較するために、1-オクタノール溶液による反応に引き続いて、水溶液とメタノール溶液による反応を行ったところ、分離係数の上昇が見られた。この結果から、二液の界面の相溶性が気体分離特性に影響を与えることを明らかにした。この他には、液相対向拡散法によるZIF-8膜の作製における反応温度の影響を解明し、高温の反応において分離層の結晶構造が緻密化する可能性を明らかにした。また、プロピレンとプロパンについて、単成分の気体透過特性に加えて混合成分による測定を行い、プロピレンとプロパンの混合気体についても本研究で作製したZIF-8膜が高い分離特性を有することを明らかにした。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] ZIF-8 Based Separation Membrane2014
Author(s)
原伸生、吉宗美紀、根岸秀之、原谷賢治、原重樹、山口猛央
Organizer
Internat ional Symposium on Advanced Materials for Energy & Environment-201
Place of Presentation
Tokyo Institute of Technology(Yokohama)
Year and Date
2014-11-04
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