2014 Fiscal Year Annual Research Report
非イオン性界面活性剤を用いた単分散ZIF-8の粒径制御と吸着分離への応用
Project/Area Number |
25820386
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中坂 佑太 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30629548)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 化学工学 / 反応・分離工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Zeolitic Imidazolate Frameworks(ZIF)は,金属イオンと有機リガンドが相互作用することで形成される金属有機構造体の一種である.本研究では,ZIFの一種であるZIF-8に対し非イオン性界面活性剤を用いた単分散なZIF-8結晶の合成と結晶サイズ制御,ZIF-8結晶内における低級炭化水素などの拡散機構解明,これら分子の吸着速度とZIF-8結晶径の関係を明らかにすることを目的としており,平成26年度はZIF-8を用いた低級炭化水素の吸着特性評価および拡散係数測定を実施した。さらに、ZIF-8は高い疎水性を有していることから、アルコールと水の分離について検討をした。 1)マクロサイズのZIF-8を用い、ヘキサン、1-ヘキセンの吸着特性評価および結晶内拡散係数測定を行った。ヘキサンおよび1-ヘキセンについては、二重結合の有無に依らずその吸着等温線はほぼ同一であった。また、結晶内拡散係数についてもほぼ同一の結果となった。このことから、C6の直鎖炭化水素においては二重結合の有無は吸着特性、拡散機構に影響しないことがわかった。 2)非イオン性界面活性剤を添加して合成したZIF-8ナノ結晶を用い、環状炭化水素(ベンゼン、シクロペンタン、シクロヘキサン)の吸着特性評価を実施した。ミクロ孔への吸着に由来する低相対圧側での吸着量はベンゼンが最も高く、次いでシクロペンタンであり、この領域でのシクロヘキサンの吸着は確認されなかった。環状炭化水素の最小分子径はZIF-8の細孔径に比べて大きいことから、環状炭化水素の吸着によりZIF-8の細孔構造が変化していることが示唆された。 3)水および含酸素有機化合物の吸着特性評価を行った所、水はほとんどZIF-8に吸着しなかった。一方で、エタノールやブタノールの吸着においてZIF-8は高い吸着能を示した。 4)非イオン性界面活性剤添加により得られるZIF-8ナノ結晶を用い、ZIF-8ナノ結晶積層を合成するとともに、水/含酸素有機化合物の分離を検討した。
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Research Products
(1 results)