2013 Fiscal Year Research-status Report
新規酵素探索による未利用資源を利用したグリコール酸の微生物合成系構築
Project/Area Number |
25820395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山田 美和 岩手大学, 農学部, 助教 (90586398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グリコール酸 / エチレングリコール / 酸化酵素 / グリコールアルデヒド |
Research Abstract |
本研究では、細胞内でグリコール酸(GA)を合成するために、エチレングリコールからのGA合成に関与する酵素のうち、これまでに報告のないグリコールアルデヒド酸化酵素(GAO)を産生する微生物のスクリーニングを行った。 具体的には、エチレングリコール、2-メトキシエタノール、プロピレングリコールを単一炭素源とした最少培地で自然界のサンプルより集積培養を行い、培養液を希釈してプレート培地上で培養した。目的酵素を産生している候補菌株を赤色に呈色するアッセイ系を用いてスクリーニングを行った結果、数株の候補菌株を選出した。さらに、選抜菌から粗酵素液を調製し、最も高いグリコールアルデヒド酸化酵素活性を示した菌株を1菌株選抜し、GAOを最も産生する培養条件を検討した。 また、上記手法を用いてスクリーニングを行った過程で、GAをさらに酸化する系での有用物質合成に寄与する酵素の産生微生物も見出すことができた。本菌株よりGA酸化能を有する酵素を精製し、その諸性質を明らかとした。具体的には、精製酵素の基質特異性、各基質に対する酵素活性反応動力定数、最適pH、最適温度、pH安定性、温度安定性、サブユニット構造、補酵素などについて明らかとした。結果、本研究で見出された酵素は、アルコール酸化酵素に属するものと考えられるが、これまでに報告されたアルコール酸化酵素に加え、植物由来グリコール酸酸化酵素とも異なる性質であり、新規のアルコール酸化酵素であることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実験計画で目的としていたグリコールアルデヒド酸化酵素産生菌候補株を見出すことができ、目標を達成することができたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度スクリーニングで見出した選抜菌を用いて、目的のグリコールアルデヒド酸化酵素(GAO)を最も産生する最適培養条件の検討、GAOの単離精製、酵素としての性質解明を行い、本酵素を利用する際の最適条件を検討し、さらにN末端アミノ酸配列情報を明らかとして遺伝子クローニングの足掛かりをつくる。
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Research Products
(3 results)