2014 Fiscal Year Research-status Report
新規酵素探索による未利用資源を利用したグリコール酸の微生物合成系構築
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25820395
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山田 美和 岩手大学, 農学部, 助教 (90586398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グリコール酸 / エチレングリコール / 酸化酵素 / グリコールアルデヒド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エチレングリコールを原料として、グリコール酸(GA)を合成することを目指し、新規なグリコールアルデヒド酸化酵素(GAO)の取得を試みた。前年度までに、GAO産生微生物を見出しGAO産生量の最も高い培養条件を見出したため、まず本年度は、目的酵素の精製系構築および精製したGAOの性質解明を目指した。目的酵素は、6段階のクロマトグラフィーを用いることで、電気泳動的に単一に精製することができた。得られて精製酵素の分子質量を調査した結果、本酵素は、76 kDa、36 kDa、14 kDaのサブユニットから成るヘテロ三量体であることを明らかとした。基質特異性に関しては、本酵素はグリコールアルデヒドに加えて、αアルデヒド、芳香族アルデヒド、グリオキサールには反応するが、グリコール酸やアルコールには反応しないことが分かった。また、本酵素の最適pHおよび温度はpH6.0 で50oCであった。さらに、各サブユニットのN末端アミノ酸配列は、キサンチンデヒドロゲナーゼのサブユニットと高い相同性を示した。上記の性質より、本酵素は、これまでに報告されているアルデヒド酸化酵素とは異なる新規のアルデヒド酸化酵素に分類されることが示された。最後に、精製酵素を用いて、グリコールアルデヒドに反応させた結果、反応生成物として目的のグリコール酸が合成されていることを確認し、本研究で見出したGAOがグリコール酸合成に適していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実験計画で目的としていた新規グリコールアルデヒド酸化酵素の精製および酵素としての諸性質解明を行うことができた。また、N末端アミノ酸配列情報を明らかとして、本酵素の遺伝子クローニングの足掛かりをつくることができた。よって、本年度の目的を達成することができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた目的酵素のN末端アミノ酸配列情報から、目的酵素の遺伝子クローニングおよび組換え微生物における酵素発現系の構築を目指す。
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Research Products
(6 results)