2013 Fiscal Year Research-status Report
温度応答性DNAアプタマーを利用する新規薬剤放出システムの開発
Project/Area Number |
25820404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
古川 和寛 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00644999)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アプタマー / SELEX / 4'-チオDNA |
Research Abstract |
本研究では、ドラックデリバリーシステムの全く新しい素材としてのDNAに着目し、その理由として研究計画書において、①リガンド(薬剤)との強い親和力(数nM程度の解離定数)、②元来体内に存在する分子であることに由来する生体適合性の高さ、③生体内での安定性を挙げた。報告者らは最近になり、4’位酸素原子を硫黄原子に置換した修飾型核酸である4’-チオDNAの合成に成功した。4’-チオDNAは、(a) 細胞内DNA分解酵素に対する抵抗性が天然型よりも高い、(b) 天然型DNAと比較して、免疫応答を誘起する可能性が少ない、(c) 条件を最適化することでPCRによる増幅が可能であるといった非常に興味深い性質が見られた(Kojima and Furukawa et al., ACS Synth. Biol., 2013, 2, 529)。当初本研究計画では、天然型DNAを用いた抗がん剤doxorubicin結合性アプタマーの獲得を目指したが、4’-チオDNAを用いることで免疫賦活化を防ぐことが可能であり、また生体内安定性も劇的に向上させることが可能であると考えた。そこで本研究では4’-チオDNAを基質としたSELEXを行い、doxorubicinに対する4’-チオDNAアプタマーの獲得を目指すこととした。本年度は、4’-チオDNAを用いたSELEXを行うための至適条件の探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は2年での実施を予定しており、初年度である平成25年度は、4'-チオDNAを用いるSELEXの条件検討に費やした。当初は天然型DNAを用いる予定であり、4'-チオDNAを用いることとしたため、若干当初の予定からは遅れが生じたが、4'-チオDNAを用いるSELEXの条件検討は終了している。またSELEXも既に開始しており、来年度において遅れを取り戻せると考えている。従って、研究全体としてはおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる平成26年度は、まずは4'-チオDNAを用いるSELEXを一刻も早く完了し、アプタマーの獲得を目指す。細胞実験によるアプタマーのDDS素子としての機能を評価する一方、その構造的解析も進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は4'-チオDNAを用いたSELEXの条件検討に費やしたため、核酸合成試薬および生化学関連試薬に費やす消耗品費が当初の予定よりも少なくなったため。 平成26年度は4'-チオDNAを用いたSELEXを鋭意進めていく予定であり、平成25年度の残額はこれに使用する消耗品の購入費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)