2014 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性DNAアプタマーを利用する新規薬剤放出システムの開発
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25820404
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
古川 和寛 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00644999)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SELEX / 4’-チオDNA / DDS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規薬剤放出分子としてDNAに着目し、DNAアプタマーを用いるDDS開発を目指して検討を行った。当初研究計画では、天然型DNAを用いた抗がん剤doxorubicin結合性アプタマーの獲得を目指したが、4’-チオDNAを用いることで免疫賦活化を防ぐことが可能であり、また生体内安定性も劇的に向上させることが可能であると考えた。そこで本研究では4’-チオDNAを基質としたSELEXを行い、doxorubicinに対する4’-チオDNAアプタマーの獲得を目的として検討を行った。前年度までに、4’-チオDNAの基質となるdSNTPs(4’-チオデオキシヌクレオシドのトリリン酸体)の酵素による取り込み条件の最適化を大方完了し、本年度は4’-チオDNAアプタマーのSELEXに着手した。5サイクルのSELEXを行った結果、2サイクル目においては、ポストネガティブセレクション(アフィニティーセレクション後に再びネガティブセレクションを行う操作)を行ったために、一時的にリガンド結合性分子の割合が減少したが、その後サイクルを増すと再びその割合は上昇した。4サイクル目以降は、アフィニティーセレクションをリガンドの有無に分けて行ったところ、リガンドが存在する場合には、非存在下に比べて2倍以上の分子が選別されており、セレクションが機能していることが分かった。5サイクル目においては、リガンド濃度を1/10として淘汰圧をより高めたが、依然としてこの傾向が見られている。今後、さらにセレクションを進め、選別された個々の分子の解析を行う予定である。
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