2014 Fiscal Year Research-status Report
深宇宙探査用大型セイル構造物の初期から詳細設計のための汎用解析手法の構築
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25820413
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
鳥阪 綾子 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (70449338)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 3次元型膜＋ブーム構造 / 満足化最適化 / 格子投影法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは宇宙大型軽量構造物の１つであるブーム＋膜構造物の設計指針の基本設計手法を提案し，リンクル量という概念を評価関数に導入し、満足化最適化手法を行いる事の有効性を検証した．本年度はリンクル量を実験的に定量化するための格子投影法を利用した装置を開発し，その測定精度の検証を行った．また測定の高精度化として格子以外の投影図を用いる事の検討を行った．さらに，大型の平面構造の製作実現性を考慮し、平面構造ではなくブームの取付角度を変化させる事によって立体的な支持を持つ構造とする事で飛躍的な剛性向上を期待出来る事が判明したため，その実験的検証を行った．ケーブルとの併用によって軸圧縮力による全体構造としての剛性の向上が実現でき，その効果は4~10[deg]で1.5~2.0倍にもなる事を実証した．また、結合点の結合力の違いによる剛性向上についても実証した．さらにこれまでの様なケーブルおよび膜とケーブルの接合点，ブーム取付角といった設計変数が全体構造へ及ぼす影響の調査を四角形膜だけではなく六角形膜についても同様に行った．その結果，リンクル量の最小値を実現するブーム取付角が存在する事が判明し，そのメカニズムの解明を今後の課題とした．超柔軟構造物の挙動を把握するための解析手法として注目している節点座標法（ANCF）を用いた板要素に関しては，モード合成法を適用して剛性行列の複雑化を低減する手法の提案を行ってきたが，実用時間内での運用は未だ困難である．引き続き梁要素を組み合わせて平面構造物の挙動を表現するための定式化に注力する必要があり，現状ではピン支持として定式化している梁同士の境界条件の検討を行い，より現実的な定式化を提案する必要性がある．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ANCFを用いた動的挙動に対応可能なモデルの定式化に注力する一方で，ブーム＋膜の設計指針の検証に研究の力点を置く事となった．ブームおよび膜の結合点や，ケーブルの適用位置，ケーブルと膜との結合といった設計要素は今までに検討がなされておらず，比較的近い将来に急増するであろうドラッグシュート用のデブリ膜の開発への知見としても性急な設計指針が必要とされるためである．それらの知見をもとに、ANCFを用いたモデルを利用した設計から詳細解析までを汎用的にカバーする系統だった設計手法の検討を行うように研究の優先度を組み替えた．実験的検証を元にして，これまでに提案してきた設計指針の実証を行ったことは宇宙構造物開発に対して大きな意義を持つため，当初の計画と異なってきてはいるが達成度は概ね良好といえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
六角形膜構造にブーム取付角が及ぼす影響の１つとしてリンクル量に着目し，その最小値，つまり最適値が存在するメカニズムを検討する．そのためにはリンクル量を定量化できる実験的手法が必要となるが，リンクルのような局所的な形状変化を高精度に捉える手法を提案し，実装する．また，ANCFを用いた梁要素を利用した平面モデルの構築を行い，変断面ブームを想定した剛性配分の最適設計手法の構築を行ったうえで柔軟構造物の詳細解析への汎用性の検討を行う．
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| Causes of Carryover |
継続して複数年に渡る研究協力を予定していた学生が、単年で研究から外れる事となり、形状測定システムの構築およびその実施に遅れが生じている．そのためその装置を用いた試験片の作成および測定にも遅れが生じており、ブーム＋膜構造物の設計検討を行う観点からはその剛性向上メカニズムを調査するための策として実験モデルを作成して振動実験を行う必要性が生じた．昨年度初めは形状測定用の除振台を購入予定であったが、所属箇所の移動も重なって所有装置が大きく変わった事もあり，急遽、FFT装置を購入する必要性が生じた．こちらの方が研究の遂行に火急の必要性があると判断した．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
形状測定装置の一部として、可能な限り重力の影響を受けないように、空気浮上型で低擾乱である試験片の搭載台の購入を予定している．
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