2014 Fiscal Year Annual Research Report
誘目性を考慮した海底物体の自動抽出およびリアルタイムモニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
25820418
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 芳紀 東京大学, 生産技術研究所, 研究員 (90635210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半余弦関数ウェーブレットネットワーク / 自律型海中ロボット / 誘目性に基づく物体抽出 / 空間周波数解析 / ハードウェア実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)による海底画像観測において、海底の低速不安定な通信環境下においても、観測結果から誘目性に基づいて人間が興味を持つであろう物体を自動抽出し、さらに基地局でリアルタイムに再現可能なシステムを実現した。AUV中のメインコンピュータの負荷増加を抑えるため、本システムはAUVに追加可能なハードウェアモジュールとして作成し、既存のAUVおよび音響通信装置に寄生させて実装するものとした。 平成25年度は、本システムの根幹となる半余弦関数ウェーブレットネットワークを用いた画像の空間周波数毎の分解、再構成ソフトウェアを作成した。作成したソフトウェアはハードウェアを作成する上でのシミュレータとして活用する。ソフトウェアシミュレーションを通し、作成するハードウェアの回路規模を見積るとともに、海底で注目に値する物体を精度よく抽出するための最適なパラメータ群について検討した。これらのパラメータは定量的に最適値を求める手法が確立されていないため、実際の海底サンプル画像が必要であった。 平成26年度は、前年度のソフトウェアシミュレーションによって得られた知見を基にハードウェア設計を行った。ハードウェアシミュレーションツールによって配線長や温度条件まで考慮した動作検証を実施し、AUVの密閉された耐圧容器内でも安定かつ充分な速度で動作することを確認した。 実海域実験では、学術的に興味深いスポットの広域画像を欠損なく収集する必要があった。そこで、申請者らが提案している Path Replanning Method をAUVに実装し、複雑環境においても高被覆率な画像取得を実現した。Path Replanning Method の実装および得られた成果については、学会発表にて成果を発信した。
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