2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25820448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 大介 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (30630024)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気液二相流 / 液膜厚さ / 電気伝導率 / 中性子ラジオグラフィ法 / VOF法 |
Research Abstract |
環状噴霧流における液膜―液滴相互作用を明らかにするために、本年度は気液界面挙動の高精度計測を目的として、高速電気伝導率計測に基づく液膜厚さ分布計測システムの構築を行い、中性子ラジオグラフィ法との同時計測を行うことで気液界面測定法の確立を行った。まず、液膜厚さ分布計測センサの開発のために、3次元電場解析によって電極サイズ及び電極配置に関する検討及び最適化を行い、多層プリント基板技術によって計測点間隔1.5mm、計測点数36×80を有するセンサの製作を行った。電気伝導率の高速多点計測のためのシステムとしては、現有システムにアナログ信号入出力デバイスを追加し、さらに高精度プリアンプ回路を組み込み、気液界面構造の時空間分布計測を可能にした。本計測システムの有効性を検証するために、狭隘矩形流路(隙間2mm)を用いた空気―水系二相流の液膜厚さ分布計測を行った。その際、京都大学研究用原子炉 B-4中性子導管を利用した中性子ラジオグラフィ法との同時計測を行い、計測結果の比較を行った。中性子ラジオグラフィにおいては、高速度カメラとイメージインテンシファイアを利用した動画像撮影を行い、時空間画像フィルタリングによるノイズ除去を行うことで二相流構造の詳細な可視化を可能にした。また、界面追跡法(VOF法)による気液界面挙動の数値計算方法の確立のために、オープンソースCFDツールであるOpenFOAMを用い、2次元液膜流の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究計画では、高精度気液界面計測手法および界面追跡法による数値計算法の確立を目的とし、電気伝導率による液膜厚さ分布計測システムの構築および狭隘流路内二相流における中性子ラジオグラフィ法との比較計測を行った。また、VOF法による2次元液膜挙動計算法の確立を行ったものの、現有のPCにおける数値解析においては、実験データとの比較が困難であり、実験及び解析の比較を次年度に行うこととしたため、本研究はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
環状噴霧流における実験および解析により、液膜―液滴相互作用について明らかにする。平成25年度に確立した数値計算手法を3次元体系に拡張し、液膜流への液滴付着挙動について調べる。また、二相流循環ループにおいて環状噴霧流の高精度気液界面測定により実験データベースの構築を行い、液膜―液滴相互作用の微視的機構に関して実験的・解析的に調べることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の学会発表を次年度に変更したため。 数値計算用ワークステーション及び各種消耗品の購入費が必要である。また、研究成果の発表のための国内外旅費が必要である。
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Research Products
(3 results)