2013 Fiscal Year Research-status Report
3次元行動計測と超音波解析による社会的相互作用の定式化と扁桃体ニューロン応答
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25830006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松本 惇平 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (00635287)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会行動 / 性行動 / 扁桃体 / ニューロン活動 / 3次元ビデオ解析 / 超音波発声 / ラット |
Research Abstract |
本研究は、2 匹のラットが自由に相互作用しているときのニューロン活動を明らかにすることを目的とする。初年度である本年度は、まず2 匹の間の複雑な相互作用(行動、超音波発声)を計測・定式化するため、以下の3次元行動計測システム(1)及び個別発声計測システム(2)の開発を行った。 1.3次元行動計測システム 相互作用中の2匹の複雑な行動を解析するために、3次元行動計測システムを開発した。このシステムでは、4台のカメラからの映像を統合して3次元映像が構築され、これを元に2匹のラットそれぞれの頭部、頸部、胴体、腰部の3次元位置を推定され、行動解析が行われる。次に、開発したシステムの有効性を次のように検証した。まず、社会行動および性行動中のラットの各体部位の位置推定および行動判定をこのシステムで行った。この結果を実験者の観察結果と比較することで、システムによる解析結果の精度が実験者と同等であることを確認した。さらに、オスラット性行動への薬物(AM-251)の効果の解析にこのシステムを応用した。その結果、同薬物による行動パターンの変化および3次元的姿勢の変化を発見し、開発したシステムの行動解析における有用性が確認できた。 2.個別発声計測システム 社会行動中の各々の発声がどのラットから発せられたものかを区別するために、発声に関わる輪状甲状筋の活動と超音波および可聴域音声とを同期的に記録し解析するシステムを開発した。このシステムでは、音声のスペクトラムから発声を半自動的に検出し、発声と同時に記録された筋活動を比較することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、行動解析システムの開発を完了した。また、当初の計画で、研究の波及効果として3次元行動解析システムの行動解析の分野への波及効果を予想していた。実際にこのシステムを学会発表した際多くの問い合わせを受け、いくつかの研究室でこのシステムの利用が始まった。さらに、富山大学の神経精神医学講座との共同でこのシステムを行動解析に応用する研究を始めた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.開発した行動解析システムと無線ニューロン活動記録装置を組み合わせ、2 匹のラットが自由に相互作用しているときのニューロン活動を明らかにする。 2.行動解析分野の発展に貢献するため、新規開発した3次元行動解析システムを学会発表等でアピールしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算が不足したため、無線ニューロン活動記録装置を新規購入せず、既設の古い装置を修理して行うことになった。この修理はまだ完了しておらず、まだ支払いは終わっていない。 上記の修理に加えて、学会発表や論文投稿などの費用に当てる。
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