2014 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス機能及び記憶、学習過程におけるARF6の役割
Project/Area Number |
25830017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
星子 麻記 大阪大学, 生命機能研究科, 招聘研究員 (90645483)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シナプス / 小脳 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
低分子量GTP結合タンパク質であるARF6は、興奮性シナプス後膜に豊富に存在し、トラフィッキングと膜形態を制御している。記憶、学習を支えるメカニズムとしてシナプス後膜におけるグルタミン酸受容体を含む小胞輸送とそれに引き続くシナプス形態変化があるが、その分子実体は未だ不明な点が多い。本研究では、ARF6に着目し、小脳におけるシナプス可塑性及びシナプス形態形成においてARF6が果たす役割を明らかにすることを目指した。ARF6の関与を示す結果を得た昨年度に引き続き、本年度は、ARF6のシグナルカスケードを明らかにすることを第一の目的とした。ARF6の下流分子の候補としてホスファチジルイノシトール 4-リン酸 5-キナーゼ(PIP5K)は、ARFにより直接活性化されることが示唆されている。小脳LTDの際のPIP5Kの関与を明らかにするために、PIP5Kγリン酸化ペプチドを用いて、LTDの障害有無を検討したところ、リン酸化ペプチドによる障害はほとんど認められず、これはPIP5Kを介さない分子経路の存在を示唆している。また、他の候補分子の作用を検証するための小脳の培養系を確立することもできた。
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