2015 Fiscal Year Research-status Report
脳内ステロイド系とヒトの感情の関連性についてのPET研究
Project/Area Number |
25830024
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 佳代 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (90462697)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | aromatase / human / PET / brain / estrogen |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおける脳内aromatase発現量を定量的に測定するために11C-cetrozoleを開発しこれまでヒト臨床試験を行ってきたが、これまでの動物実験でcetrozoleより高精度にaromatase発現量を測定できることが判明していたcetrozoleの類縁体であるTMD-322を用いてヒト臨床試験を新たに行った。脳内aromataseに対する新規PETプローブ"11C-TMD-322"の合成方法および合成時間、比放射能は11C-cetrozoleとほぼ同じであり、安定して合成・供給できることがわかった。健常ヒトを対象に臨床PET試験を行い、その結果、11C-TMD-322のヒト脳内結合部位は、11C-cetrozoleとほぼ同じであり、視床、扁桃体、視床下部に高い結合が見られた。11C-TMD-322も11C-cetrozole同様、脳内aromataseに結合していると考えられる。しかし、PET試験と並行して静脈血を経時的にサンプリングし、11C-TMD-322の血中消失率を測定したところ、20分後には親化合物が約20%しか残存しておらず、代謝が速いことが判明した。そのため脳内からも比較的速やかにクリアランスされ、11C-cetrozoleに比してより高い精度で脳内aromataseが測定できる結果とはならなかった。 Estrogen受容体濃度を測定するための新規化合物は、脂溶性が高く動物への投与方法が検討されてきたが、解決法が見つかり現在動物を使った実験を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Estrogen受容体濃度を測定するための新規PETプローブについて、投与方法の検討に時間を要したため現在動物実験中である。またヒトの脳内aromatase発現量を測定する新規PETプローブ11C-TMD-322に関わる論文を執筆中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
Estrogen受容体濃度を測定するための新規PETプローブの開発に向けて、ラット・サルでの動物実験を進め、ヒト臨床試験を目指す。
|
Causes of Carryover |
新規化合物を動物に投与するのに化合物の溶解条件を検討するのに当初予定していたより時間を要した。新規化合物のデザインを含め検討しなおした。また、論文の仕上げにも想定していたより時間を要し、英文校閲費等も必要なため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規化合物の動物実験にかかる諸経費(試薬、消耗品等) 論文の英文校閲費
|
Research Products
(2 results)