2013 Fiscal Year Research-status Report
新規オートファジープローブによりパーキンソン病でのマイトファジーの働きを解明する
Project/Area Number |
25830043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
片山 博幸 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (00415126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / マイトファジー / パーキンソン病 / 蛍光タンパク質 / リソソーム |
Research Abstract |
本研究では、シグナルが不可逆的で、固定などの処理後でも蓄積したオートファジーシグナルが残存するような、新しいオートファジープローブを作製し、個体内でのオートファジー、マイトファジーの検出、可視化を行うことが目的である。 目的に合致するようなオートファジープローブを作製するため、酸性条件下やリソソーム分解酵素に抵抗性の蛍光タンパク質と、非抵抗性の蛍光タンパク質を組み合わせ、蛍光タンパク質ペアの組み合わせのスクリーニング、それらの結合の順番、蛍光タンパク質間のアミノ酸の削除、リンカーの最適化などを行って、目的の「シグナル残存型蛍光オートファジープローブ」はひとまず完成し、培養細胞レベルで ①オートファジー、マイトファジーを感度良く検出できる。 ②固定などの処理により細胞が死に、リソソーム内腔が酸性でなくなっても、このオートファジーシグナルが残存し続ける。 ことを確認した。 しかしさらに検討と解析を進めたところ、このオートファジープローブは、 ①連結後の片方の蛍光タンパク質の蛍光強度があまり強くないため、自家蛍光などの影響を受けやすい。 ②上記の蛍光タンパク質の光安定性が低く、シグナル消失のおそれがある。などプローブとして望ましくない特性を持つことが明らかになった。 そこでこれらの点を改善する為、問題のある蛍光タンパク質の他タンパク質への置換、変異導入による改良を行った。 現在、変異導入による改良型の蛍光タンパク質候補が複数産生され、問題のある蛍光タンパク質と置換して、上記の問題が改善されたかどうかを検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で使用する蛍光プローブは2つの蛍光タンパク質を連結したものである。これらの蛍光タンパク質を連結し、プローブの形にすると、片方の蛍光タンパク質に蛍光強度低下、光安定性低下が見られた。 このままの状態で神経細胞や動物個体に使用すると、蛍光強度不足による観察不能を引き起こすことが懸念される。 使用するプローブを、より信頼性のある汎用性の高いものにするため、一歩戻って、性能の高いプローブの再作製を行うことを選択した。 その為、研究進捗は足踏みしているが、より良いプローブの使用により、更に質の高いイメージングが行えるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
変異導入による改良型の蛍光タンパク質候補を、問題のあった蛍光タンパク質と置換して、プローブの問題が改善されたかどうか検討、評価し、満足できるものであればこれを発現する安定発現細胞株や個体動物を作製する。 この細胞株や、個体動物を用いて十分オートファジー、マイトファジーが観察されていれば、必要なデータを追加し、論文発表や特許取得を行う予定である。
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