2014 Fiscal Year Research-status Report
新規オートファジープローブによりパーキンソン病でのマイトファジーの働きを解明する
Project/Area Number |
25830043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
片山 博幸 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (00415126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / マイトファジー / パーキンソン病 / 蛍光タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、オートファジーによる障害ミトコンドリアの分解除去(マイトファジー)とパーキンソン病発症メカニズムの関連について検討するために、このマイトファジーをin vivo、in vitroで検出できる新しいオートファジープローブを作製、評価している。 この新規プローブは高感度でシグナルが蓄積し、固定後でもシグナルが残存するため、動物個体のどこで、どれだけオートファジーがおきていたのかを容易に検出、定量化することが可能である。本研究ではこのプローブを発現する遺伝子組み換え動物を用い、パーキンソン病発症のメカニズム(マイトファジーと本症発症の関係、黒質ドパミンニューロンの変性脱落の原因など)の解明を目指す。 本年度は蛍光タンパク質ペアの一方の改良を行い、哺乳類細胞での蛍光強度、感度の増加を達成した。この改良蛍光タンパク質を用い、ペアの組み合わせ、リンカー部分の最適化などを行い、より良いプローブを作製した。 このプローブを評価したところ、哺乳類細胞内でオートファジー、マイトファジーを感度良く検出すること、固定処理後もそのシグナルが残存することを確認した。また、マウス生体内細胞用遺伝子導入試薬により、一過性にマウスにこのプローブを発現させ、飢餓処理後、固定して肝細胞を観察し、個体内でのオートファジーを検出可能であることも確認した。 現在このプローブを発現するAAV、ノックインマウスを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的のオートファジー、マイトファジープローブは完成し、その評価結果も良好であった。これにAAV、ノックインマウスの結果を加えることで論文発表を目指している。 また、完成したAAVやノックインマウスを用いてパーキンソン病モデルマウスでのオートファジー、マイトファジーの観察を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は現在のところ順調に進捗しており、プローブを発現するAAV、ノックインマウスの結果を加えて論文発表を目指す。 また、これらマウスでの機能評価を行い、このプローブが個体内で実用に耐えうることを確認後、パーキンソン病モデルマウスでのオートファジー、マイトファジーの観察を行う予定である。
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