2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25830049
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中牟田 信一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20647474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軸索形成 / 樹状突起 / 神経栄養因子 / 接着因子 / TAG-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では神経細胞の軸索と樹状突起形成機構の解明を目的とする。生体内で神経細胞は、神経成長因子をはじめとする細胞外因子や細胞接着などの外界からの局所的な情報をもとに極性を獲得すると考えられる。しかしながら、生体内という複雑な環境の中では、細胞外シグナルの解析は非常に困難である。申請者は、神経細胞の軸索形成に関与が示唆されているMARK2、CRMP-2と細胞外接着因子TAG-1の機能解析に焦点を絞り研究を行った。前年度、細胞接着因子TAG1の機能解析を行い、生体内でのTAG-1の重要性を明らかにした。今年度は、微小管を中心とした樹状突起およびスパイン形成に焦点を絞り研究を行った。樹状突起形成に関わる因子で微小管に結合分子としてCRMP-2以外にRhoAのGEFであるARHGEF2 (GEF-H1)を同定した。さらにGEF-H1はMARK2でリン酸化された。しかしながら、MARK2とGEF-H1の関係はすでに報告されていたことから、GEF-H1 をリン酸化するそれ以外のkinaseの同定を試みた。その結果、GEF-H1はCaMKIとCaMKIIの基質となることを同定した。リン酸化部位をリン酸化プロテオミクス法とIn vitro kinase assayより同定した。同定したリン酸化は、GEF-H1と微小管との乖離を誘導した。これらの結果は、神経栄養因子やNMDA等の神経伝達物質により活性化したCaMKsがGEF-H1のリン酸化し、GEF-H1と微小管との乖離を誘導することでGEF-H1の活性化を制御していることを見出した。
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