2014 Fiscal Year Annual Research Report
女性の生殖可能期間を支える原始卵胞活性化とその分子機構の解明
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25830061
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 仁美 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60644094)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 卵胞成熟 / マウス / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類卵巣においては卵母細胞は複数種の体細胞に支持され、これらの細胞が作る球状の細胞の集合体を「卵胞」とよふ。最も未成熟な原始卵胞は前顆粒細胞と小さな卵母細胞からなり、休眠状態で長期間卵巣内に蓄えられているが、刺激に応答して活性化すると成熟過程に入って排卵される。女性が40年という長い生殖器官を維持できるのは、原始卵胞の維持と活性化のバランスをとる機構が働いているためだが、その分子機構の詳細については未だ不明である。原始卵胞活性化(PFA)を制御する機構としては、PI3K 経路と転写因子 Foxo3aによる制御が知られている。Foxo3aは原始卵胞中の卵母細胞において核に局在し、転写抑制によってPFAを抑制していると考えられている。PI3K経路が活性化するとFoxo3aがリン酸化され、核外に排出される。これによりPFAの抑制が解除され、原始卵胞は活性化して成熟過程にはいることが既に報告されている。我々は生殖細胞特異的な bHLH 型転写因子 Sohlh1とSohlh2がFoxo3aのリン酸化抑制を介してPFAを抑制に機能していることを発見した。Sohlhsのノックアウトマウス卵巣ではFoxo3aのリン酸化が亢進し、異常なPFAが誘導されるために卵胞が死滅していた。Foxo3aはSohlhsの転写標的遺伝子ではないため、間接的に活性制御を行っていると考えられる。当該研究費支援期間中は、Sohlhs とその下流で転写活性化される転写因子Lhx8とのタンパク質間相互作用に着目し、活性の制御機構について解析を行った。SohlhとLhx8の結合部位を特定し、修飾による違い、生理学的意義等についての解析を進めている。また、Sohlh1結合タンパク質の網羅的解析により新規の結合因子を同定し、そのノックアウトマウスの解析へと進めることができた。
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[Journal Article] 1.A novel AMH-Treck transgenic mouse line allows toxin-dependent loss of supporting cells in gonads2014
Author(s)
Shinomura M, Kishi K, Tomita A, Kawasumi M, Kanezashi H, Kuroda Y, Tsunekawa N, Ozawa A, Aiyama Y, Yoneda A, Suzuki H, Saito M, Picard JY, Kohno K, Kurohmaru M, Kanai-Azuma M, Kanai Y.
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Journal Title
Reproduction
Volume: 148(6)
Pages: H1-9
DOI
Peer Reviewed
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