2013 Fiscal Year Research-status Report
色素上皮由来因子を標的とした新しい動脈硬化モデルの開発
Project/Area Number |
25830067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松井 孝憲 久留米大学, 医学部, 講師 (10425233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動脈硬化症治療法 |
Research Abstract |
本研究は動脈硬化症の新規治療法の確立を目指し、新しいモデル動物の開発を目的として、生体内で血管保護的に働き血管内皮のバルーン障害に伴う血管狭窄を抑制する色素上皮由来因子(Pigment Epithelium Derived Factor:以下PEDF)の機能的受容体を新たに同定し、その機能の解明をおこなった。そのために、バルーン障害による血管狭窄モデル動物およびPEDF受容体の遺伝子改変動物を作製し、血管狭窄を伴う動脈硬化に及ぼす当該PEDF受容体の昨機能を解析した。 まず、ヒト血管平滑筋細胞においてPEDFと特異的に結合する膜蛋白質を得て質量分析法により解析し、受容体構造を持つ蛋白質を同定した。遺伝子全長をクローニングし発現プラスミドを作製し、受容体蛋白質を得た後、抗体の作製を試みた。PEDF受容体蛋白質がPEDFと同様に血管平滑筋細胞の血小板由来増殖因子による細胞増殖、細胞遊走を抑制するか否かをin vitroの実験系により検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はPEDFと結合する蛋白質を同定し、遺伝子のクローニングと発現プラスミドの作製、PEDF受容体蛋白質の精製、PEDF受容体とPEDFの表面プラズモンによる解析、PEDF蛋白質に対する抗体、siRNAを作製しており、予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従ってPEDF受容体のin vitroによる機能評価へと進めていく。 1) 血管平滑筋細胞を増殖因子により刺激した際のPEDF受容体の発現量の変化をウエスタンブロット法、real-time PCR法により検討する。 2) 血管平滑筋細胞の増殖、遊走をPEDF受容体の過剰発現またはsiRNAによるノックダウンにより、抑制または促進しうるか否かをヒト平滑筋培養細胞の増殖(3H-ラベルチミジン取り込み)、遊走(ボイデンチャンバー法)の評価により検討する。 PEDF受容体の過剰発現またはノックダウンが細胞増殖シグナル(p21、p27、p53)、細胞周期(cyclin D1、cyclin E)をどのように抑制するのかをreal-time PCR法、ウェスタンブロット法を用いて検討する。
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