2014 Fiscal Year Research-status Report
光、磁場を利用したIn vivo遺伝子発現操作系の開発
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25830069
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
伊達木 穣 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (00415879)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現操作系 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験動物体内で遺伝子発現を操作する手法は多数存在するが、いずれも自由な発現操作をするには制限がある。一般に特異的プロモーター、エンハンサーにより予定した時期、組織に遺伝子発現変化を誘導する系、あるいは薬剤などにより発現変化を誘導する系等が用いられている。しかし実用される特異的プロモーター、エンハンサーは未だ限定的であり、薬剤誘導系に関しても薬剤送達効率や細胞種による応答性の違いがあり、必ずしも汎用性の高いものではない。本研究は光と磁場を用いて任意の時期、組織で誘導可能な遺伝子発現操作系の構築を目的とするものである。平成25年度は光、および磁場に応答性のあるヒトCryptochrome2を材料に異種転写因子との融合タンパク質を作成し、光および磁場に応じて活性が変化する転写因子を作出することを目指したが、十分なものは得られなかった。平成26年度には新たなアプローチで目的にかなう転写制御系の確立に取り組んだ結果、光、磁場依存的に転写活性が5倍以上に増加する系を見出した。メカニズムに一部不明な点があることから、実用に向けた解析に加え、詳細なメカニズムの解析に取り組んでいる。 また、当該研究計画の過程で新たに見出した光を利用した選択的な遺伝子導入手法に関しても並行して研究を進め、一部の研究成果に関しては学会発表を行った。簡易な手順で培養シャーレ内の指定した領域の細胞に対して選択的に核酸を送達する手法であり、領域ごとに異なる遺伝子をドミナントに導入することに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本件は光と磁場を利用した新規遺伝子発現制御技術の開発を目的とするものであるが、検証を重ねた結果、当初の研究計画では目的とする技術は得られないことが明らかとなった。代替となる手段を検討したところメカニズムの詳細に不明な点はあるものの当初の手法に換わる手段を見出すことに成功した。実用を目的とするに当たり新たにその詳細なメカニズムの解明に着手したことから当初の予定通りの進展を得るに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を変更して新たに見出した光、磁場依存的な転写制御系のメカニズムの解明に取り組むとともに、マウス組織、個体へ適用拡大を予定している。
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Causes of Carryover |
本件は光と磁場を利用した新規遺伝子発現制御技術の開発を目的とするものであるが、検証を重ねた結果、当初の研究計画では目的とする技術は得られないことが明らかとなった。代替となる手段を検討したところメカニズムの詳細に不明な点はあるものの当初の手法に換わる手段を見出すことに成功した。実用を目的とするに当たり新たにその詳細なメカニズムの解明に着手したことから当初の予定通りの進展を得るに至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度以降、予定していた組織培養実験、および動物実験に予算を使用する予定である。
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