2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25830084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武石 昭一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 研究員 (10647720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 乳がん / Fbxw7 |
Research Abstract |
申請者は当初の計画通り、まず乳腺特異的Fbxw7コンディショナルノックアウトマウス(CKOマウス)を作製した。現在、このマウスと、乳がんマウスモデルとして確立しているMMTV-Wnt-1トランスジェニックマウスを交配し、Fbxw7を欠損した乳がん細胞を得ようとしているところである。 Fbxw7阻害剤のスクリーニングに関しても当初の計画通り、理化学研究所の渡邉博士らのグループによる、Skp2阻害剤のスクリーニング(Ooi et al., Cancer Sci., 2013)と同様のアプローチを採用して進めている。Skp2はFbxw7と同じくユビキチンリガーゼであるが、彼らはSkp2の基質であるp27をプレートに固定させ、そこに蛍光色素 (monomeric Azami-Green; mAG) とSkp2の融合タンパク質および天然化合物ライブラリーを加え、蛍光強度の変化を調べることにより、Skp2とp27の結合を阻害する化合物のスクリーニングを行っている。申請者はこの方法を応用し、Fbxw7とc-Mycの結合をmAGの蛍光強度の変化により調べる実験系を確立した。さらに、この実験系に天然化合物を加え、mAGの蛍光強度を減弱させる (= Fbxw7とc-Mycの結合を阻害する) ような化合物のスクリーニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に施行予定であったFbxw7欠損乳がん幹細胞の機能解析に関しては、当初の予定よりやや遅れている。しかし、平成26年度に施行予定であったFbxw7阻害剤の開発にすでに着手し、当初の計画以上に進展している。したがって、研究計画全体としてはおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、Fbxw7を欠損した乳がん組織中の乳がん幹細胞の細胞周期解析を行い、Fbxw7欠損による静止期の割合の変化を調べる。さらに、このマウスに抗がん剤を投与し、Fbxw7の欠損により乳がん幹細胞が抗がん剤に感受性を示すかどうか、Fbxw7欠損+抗がん剤併用療法により乳がん幹細胞を根絶させ、治療後の再発や転移が抑えられるかどうかを調べる。 さらに、ヒト乳がん細胞をNOD/SCIDマウス(免疫不全マウス)に異種移植し、このマウスに単離したFbxw7阻害剤を投与した後、抗がん剤と併用療法を行う。そして、この併用療法によりヒト乳がん幹細胞を根絶できるかどうか、治療後の再発や転移が抑えられるかどうかを調べ、ヒト乳がんに対するFbxw7阻害剤の有効性を検討する。
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Research Products
(18 results)