2014 Fiscal Year Annual Research Report
誘導型ヒト人工がん幹細胞を用いたがん再発モデルの構築ならびに再発責任分子の同定
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25830088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大西 伸幸 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (40534540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / ALKキナーセ / 脳腫瘍モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの再発・転移はがん死要因の約 9 割を占めており、再発・転移性がんに対する効果的な治療が求められる。近年、がんの再発・転移の原因は治療後に残存するがん幹細胞であると考えられており、幹細胞様性質に加えて治療抵抗性を有することなどが報告されているが、がん幹細胞による再発・転移機構については未だ不明な点が多い。本研究では、これまでに申請者らが構築してきた人工がん幹細胞(induced Cancer Stem Cells; iCSCs)を用いたマウス発がんモデルを応用し、マウスがん再発モデルを構築する。マウス生体内で腫瘍を発生・ 退縮させた後に再発する腫瘍について経時的に詳細な解析を行うことで、がん再発機構の責任分子を同定することを目的とした。 腫瘍形成後に遺伝子発現を消失できる誘導型発がんモデルを構築するために、Tet-On systemを用いて神経幹細胞(Neural Stem Cells; NSCs)にDox添加/除去依存的にALK R1275Q遺伝子を発現誘導/消失できるTet-On-ALK R1275Q-Luc-NSCを樹立した。また、発がん過程における遺伝子・染色体異常を解析することを目的に、ALK R1275QならびにH-RAS V12を遺伝子導入したNSCsからゲノムDNAを抽出し、エクソーム解析を行ったところ、それぞれのゲノムDNAより様々な遺伝子で点変異が検出された。ゲノムDNAのコピー数に注目して解析を行ったところ、ALK R1275QならびにH-RAS V12発現NSCsそれぞれに特徴的な染色体毎のコピー数異常が検出された。今後、誘導型発がんモデルを用いて遺伝子の発現誘導/消失によってコピー数異常が変化するかを解析し、発がん・再発時におけるがん細胞の機能解析を行うことで責任分子の同定を目指したいと考えている。
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[Journal Article] IGF2 preserves osteosarcoma cell survival by creating an autophagic state of dormancy that protects cells against chemotherapeutic stress.2014
Author(s)
Shimizu T, Sugihara E, Yamaguchi-Iwai S, Tamaki S, Koyama Y, Kamel W, Ueki A, Ishikawa T, Chiyoda T, Osuka S, Onishi N, Ikeda H, Kamei J, Matsuo K, Fukuchi Y, Nagai T, Toguchida J, Toyama Y, Muto A, Saya H.
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Journal Title
Cancer Res.
Volume: 74
Pages: 6531-41
DOI
Peer Reviewed
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